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みやぎDXプロジェクト
新着情報
2019年に文部科学省によって開始されたGIGAスクール構想に基づき、守山市教育委員会学校教育課では、守山市の小中学校全児童生徒に1人1台のChromebookの整備を完了しました。市では、学びのツールのひとつとして、2020年から「すららドリル」の活用をはじめました。
早々に1人1台のChromebookの整備が完了した守山市は、「情報端末さえあれば教育が充実する」というものではなく、Chromebookを有効なツールとして使っていくことが重要と考え、児童生徒が個別の課題に応じたドリルを実施できる仕組みとして、AIドリルの導入を検討しました。そこでEdTech導入補助制度を活用し、2020年に市立の全小中学校への「すららドリル」導入を決定しました。小学校9校では国語・算数・理科・社会の4科目で、中学校4校では国語・数学・理科・社会・英語の5科目で「すららドリル」が使用されています。
守山市では、「すららドリル」の活用方法は、現場の先生にゆだねています。例えば授業時間の冒頭10分での実施であったり、宿題として課題設定したりするなど、各先生が、自身の経験をふまえ、児童生徒の状況を鑑みながら、「すららドリル」を使っています。
「すららドリル」が従来の紙ベースのドリルと異なる大きな特徴のひとつとして、児童生徒一人ひとりの課題に個別対応できる点があります。
児童生徒がドリルの取り組みと答え合わせを重ねる過程で、「すららドリル」は各児童生徒の理解度を個別に把握。苦手な問題を解析・レクチャーし、苦手克服に向けた問題を、各児童生徒に向けて個別自動的に出題する仕組みを備えています。「すららドリル」は、理解が十分でない範囲をAIが見つけることで、効率的に復習・再確認・基礎づくりができるAIドリルです。また、先生が進捗管理を行うための「学習管理画面」も準備されています。
▲すららドリルの学習画面(画像提供元:株式会社すららネット)
▲すららドリルの学習画面(画像提供元:株式会社すららネット)
「すららドリル」を開発する株式会社すららネットは2022年8月2日、守山市教育委員会と実施した「すららドリルを活用した学力向上に関する実証事業」の結果を公表しました。この実証事業は、市立中学校4校の中学1年生約1000人を対象に実施されたものです。すららネット社のニュースリリースによると、「今回の実証事業で、4教科400点満点の確認テストにおいて、4校の平均点が前年比で約18点向上、中には平均点が27点以上向上した学校もありました。」とのこと。守山市学校教育課のご担当者は「約20点(の向上)は、個人の点数としてはかなり大きい。つまずいたところに関連した問題が繰り返し出されるため、ねばり強くがんばることのできる児童生徒に効果が見られる。」と話していました。
子どもたちと向き合う先生にとっても、メリットが見られます。前述のご担当者によると、「(ドリルの)丸つけをしなくていいため、ドリルの達成状況を見守ることに集中できる。個の状況把握に目を届かせやすくなった。一方で(学習することが)ほんとうにしんどい生徒は、ドリルに向かうこと自体ができない事実もある。AIドリルがすべてではなく、AIドリルの導入で生まれた時間を使って、児童生徒と直接向き合うことが必要だと考える。」と話していました。
▲すららドリルを使う守山市の生徒(画像提供元:株式会社すららネット)
守山市では、学力の底上げをするためには、「基礎基本的な力」と「思考力」の両方を伸ばすことが必要と考えています。その「基礎基本的な力」を伸ばすための手段として、「すららドリル」が位置付けられています。「すららドリル」のような「個に応じた学び」や「個に適応したドリルの仕組み」が必要であると、守山市学校教育課のご担当者は話していました。また、授業の組み立てを大切にしながら、ICTの効果的な利活用に向けた研究会を重ねているとのことです。
守山市では、DX導入により、学ぶ力の向上と教員の業務削減が図られ、個別最適な学びにつなげていく姿勢が見られました。
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