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掲載日:2024年7月1日

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意見書(令和6年6月定例会)

宮城県議会Top条例・意見書等

 防災・減災、国土強靱化の加速化に必要な財源確保を求める意見書

 近年の気候変動等によって起こる異常気象の影響により、全国的に自然災害が激甚化・頻発化しており、本県においても、平成27年9月関東・東北豪雨、令和元年東日本台風に続き、令和4年7月にも県北部を中心に時間雨量・日雨量ともに各地点で観測史上1位を更新する記録的な豪雨により、河川堤防の決壊や越水、道路の流出・陥没、橋の崩落、住宅や農地などへの甚大な被害が発生した。
 これまで、本県では、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(以下、「5か年加速化対策」という。)に係る予算を活用し、令和3年度から「流域治水」の考え方に基づく総合的な治水対策や土砂災害防止対策、道路ネットワークの機能強化などに取り組み、その効果を実感しているところである。
 一方、平成28年4月に発生した熊本地震や令和3年2月及び令和4年3月に発生した福島県沖を震源とする地震、令和6年1月に発生した能登半島地震による被害状況を踏まえると、社会資本の整備とその維持・管理体制の充実を図るためには、5か年加速化対策期間後においても、国土強靱化の取組を着実に進めていくことや予防保全型を基本としたインフラメンテナンスの実現に向けた対策や取組を更に加速化・深化させることが重要であると再認識させられた。
 よって、国においては、今後も防災・減災、国土強靱化に必要な事業を計画的に進めるため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 5か年加速化対策の最終年度となる令和7年度においても必要な予算・財源を確保すること。
2 近年の地震、豪雨などの自然災害を踏まえ、5か年加速化対策期間後においても、国土強靱化の取組を継続的・安定的に進めるため、「国土強靱化実施中期計画」を令和6年内の早期に策定し、必要な予算・財源を通常予算とは別枠で確保し、継続的に取り組むこと。
3 防災・減災対策はもとより、国土強靱化対策に不可欠な緊急自然災害防止対策事業債、緊急浚渫推進事業債等について、引き続き活用できるよう延長するとともに、地方の実情に沿ったより活用しやすい制度となるよう、地方債制度の継続・拡充を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年7月1日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
国土強靱化担当大臣 宛て

 子ども・子育て支援制度の公定価格の見直しを求める意見書

 少子化が進展する中、安心して子どもを産み育てることができるよう、質の高い保育サービスを提供するためには、保育の担い手確保は喫緊の課題である。
 保育士の新規人材確保と離職防止を図ることが必要であり、子ども・子育て支援制度における公定価格を適切な水準に設定し、保育士の処遇を改善することが不可欠である。
 また、子ども・子育て支援制度における公定価格の「地域区分」については、国として統一的かつ客観的ルールの必要性、介護保険制度等の他の社会保障制度との整合性などの観点から、地域ごとの民間の給与水準を反映させている国家公務員・地方公務員の地域手当の支給割合の「地域区分」に準拠し、20%から0%の間で、8区分に設定されている。
 なお、国家公務員等の地域手当の設定がない地域について、設定がある地域に囲まれている又は複数隣接する場合には、当該地域区分の設定がある地域のうち最も低い区分により設定し、国家公務員等の地域手当の設定がある市町村についても、当該地域区分よりも支給割合の高い地域に囲まれている場合には、囲んでいる地域のうち支給割合が最も近い地域の区分に引き上げるという補正ルールが追加されている。
 しかしながら、異なる地域区分が設定されている市区町村間で複数の施設を運営している施設運営者にあっては、人事異動の際に、保育士等の間での給与の差が生じないように不均衡是正のための給与負担を余儀なくされる例も散見され、また、公定価格の低い地域にあっては、都市部と比べ、保育士等の待遇に差が生じ、保育人材が都市部へ流出する一因となっていることから、自らの負担で保育士等を雇用するなど、多大な負担が生じており、人材確保や維持に苦慮している実態もある。
 未来を担う子どもたちが健やかに成長できる地域社会を実現するためには、保育士の処遇改善を図り、保育サービスの担い手を適切に確保するための措置が不可欠である。
 よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 保育士が安定的・継続的に働くことができるようにするため、保育所等の職員の給与が他の業種と比較し適切な水準となるよう、保育士の勤務実態に合った公定価格を定めること。
2 地域区分の不均衡を是正し、隣接する市区町村の間で公定価格に大きな差が生じないよう、他の客観的指標も考慮しながら、地域の実情を十分に反映した地域区分を設定すること。
3 公定価格の地域区分の設定においては、関係市区町村の意見が反映される仕組みを導入すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年7月1日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策) 宛て

 災害発生時における信頼性の高い情報連携体制の構築への支援を求める意見書

 現在、情報通信技術の進歩と、それに伴う様々なサービスの拡大により、私たちはいつでもどこでも、情報を入手したり、発信したりすることができるようになっている。そのため、インターネット上には膨大な情報やデータが流通しているが、その中には、事実とは異なる、偽情報や誤情報が含まれることもあり、適切な対処が必要である。
 特に、災害発生時における情報は、多くの人々の命に直結する重要なものであり、現在、必死の復旧と復興を進めている能登半島地震においても、多くの偽情報や誤情報が発信され、現場は大変に混乱したとされる。具体的には、救援を求める情報を受けて現場に行っても、誰もいなかったというケースも多々確認されている。また、被災地の状況を知らせる画像情報についても、現場の実態とは全く異なる合成画像も拡散されていた。
 いつどこで発生するか分からない災害に対して、特に発災直後は情報が大変に混乱する中で、被災者の命を救うために、1分1秒も無駄にはできない。その活動を大きく阻害する偽情報や誤情報の拡散防止は喫緊の課題である。
 よって、国においては、災害発生時における信頼性の高い情報連携体制の構築に向けた支援を積極的に推進するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 情報発信者や情報発信機器の事前登録等により、情報の信頼性を担保し、現場からの正確な情報を収集し活用する情報連携環境を整備すること。
2 IoTセンサーやドローンを活用して、リアルタイムでの国と地方自治体の災害情報共有体制を整備するとともに、適切な情報分析と迅速な対策を促す気象防災アドバイザーの自治体への配置を支援すること。
3 正確な情報を発信する公的情報サイト・アプリケーション等の国民に対する普及を強力に推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年7月1日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
デジタル大臣
内閣官房長官
内閣府特命担当大臣(防災) 宛て

 聴覚補助機器等の活用への支援を求める意見書

 今日、社会の高齢化に比例して、難聴者も年々増加している。難聴は認知症の危険因子の一つと言われており、また、難聴になると、人や社会とのコミュニケーションを避けがちになり、その後社会的に孤立する可能性も懸念される。
 この難聴対策として補聴器が知られているが、一般的に「補聴器」と呼ばれているものは、収集した音を増幅して外耳道に送る「気導補聴器」である。一方で様々な原因で外耳道が閉鎖している人には、骨導聴力を活用する「骨導補聴器」が用いられてきた。
 近年、これらの2種類の補聴器に加えて、耳の軟骨を振動させて音を伝える「軟骨伝導補聴器」等の新しい技術を用いた補聴器が開発された。この聴覚補助機器は、従来の気導・骨導補聴器では十分な補聴効果が得られない人や、装用そのものが難しい人に対する新たな選択肢となった。
 よって、様々な難聴者に活用できる聴覚補助機器等の選択肢が整った今、更なる高齢化の進展を見越して、国においては、認知症の予防とともに、高齢者の積極的な社会参画の実現に向けて、聴覚補助機器等の活用を促進するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 難聴に悩む高齢者が、医師や専門家の助言の下で、自分に合った聴覚補助機器等を活用する環境を整えること。
2 耳が聞こえにくい高齢者や難聴者が円滑にコミュニケーションを取ることができる社会の構築を目指し、聴覚補助機器等の保険適用を推進すること。
3 地域の社会福祉協議会や福祉施設との連携の下、聴覚補助機器等を必要とする人々への情報提供の機会や場の創設等、聴覚補助機器等を普及させる社会環境を整えること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年7月1日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣(共生社会担当) 宛て

 外国法人や外国人による土地等の取得に対し、国土保全の取組を更に推進することを求める意見書

 近年、全国各地で外国法人や外国人による土地の取得が進んでいる。沖縄では大きな無人島の土地が外国法人等に取得されたほか、北海道をはじめ全国各地で水源地である森林の買収が多数確認されている。また、外国法人等による住宅地の取得も確認されており、一部の地域における近年の不動産価格の高騰は、外国法人等の土地取得が要因の一つではないかとの懸念がある。
 一方、国においては令和4年9月に重要土地等調査法が全面施行されたところであるが、同法の規制対象が重要施設(防衛関係施設等)の周辺及び国境離島等の区域内にある土地等に限定され、それ以外の住宅地、農地、マンション等は対象に含まれていないため、今後もこうした土地等が外国法人等に無秩序に取得されると、我が国の主権が脅かされ、安全保障上の重大な問題に発展することが危惧される。
 我が国では、外国法人等による土地の取得及び利用を制限する権利を留保せずに世界貿易機関のサービスの貿易に関する一般協定(GATS)に加盟したため、内外差別的な立法を行うことは原則認められていない。しかしながら、GATS加盟国の中には、安全保障の観点から、外国法人等に対する土地の取得及び利用を制限する権利を留保し、国内法で外国人等の土地取得を制限することを可能にした国もある。
 よって、国においては、外国法人等による土地等の取得に対し、国土保全の取組を更に推進するため、必要な法整備に早急に取り組むよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和6年7月1日

宮城県議会議長 髙橋 伸二

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
外務大臣
国土交通大臣 宛て

お問い合わせ先

議会事務局 政務調査課政策法令班

仙台市青葉区本町三丁目8番1号

電話番号:022-211-3593

ファックス番号:022-211-3598

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