東日本大震災宮城の震災対応記録

(職員インタビューによる震災の記憶・経験の伝承)

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木材産業の復旧・復興

 森林資源が豊富な宮城県には、震災前、合板工場3社と製紙工場2工場が立地しており、全国でも上位の木材(丸太)需要量を有していた。発災後、沿岸部に立地する合板、製紙工場等は津波により甚大な被害を受け、内陸部の関連工場等も地震による設備・建物の損壊等の被害がほぼ全ての工場で発生した。
 県は発災直後から被災地の工場に赴き、被災状況や要望を取りまとめ、平成23年4月、林野庁長官の石巻地区視察に合わせ、木材産業の早期復旧支援の要望書を業界団体から手渡した。5月に成立した国の第1次補正予算では、新たに「木材供給等緊急対策事業」が創設され、さらに11月に成立した第3次補正予算では「木材加工流通施設等復旧対策事業」が創設された。県はこれらの事業を活用し、38事業体の施設の復旧を支援することとなった。
 しかし、災害復旧のための木材需要が高まる中、一度手放してしまった販路の回復は難しく、県は新たな需要を開拓する必要に迫られた。そこで県は、県が整備する公共施設等への県産材の積極的な活用に関する方針を定めるため、平成23年10月に「宮城県の公共建築物における木材利用の推進に関する方針」を策定し、平成24年3月に「みやぎ材利用拡大行動計画(平成19年1月策定)」を改定した。この県の方針等に即しながら、災害公営住宅を含む復興住宅等への県産木材の利用が進められることとなった。
 県内の木材加工施設は、平成25年度末までに復旧が完了。同年度末の製品出荷額は411億円(平成22年度比151%)に達し、震災を上回る水準にまで回復した。平成27年度からは、国の地方創生予算を活用し、新たな建材として期待が高まるCLTの活用事業に取り組んでいる。

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