東日本大震災宮城の震災対応記録

(職員インタビューによる震災の記憶・経験の伝承)

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道路・橋りょうの復旧

 東日本大震災により県が管理する道路は全域で全面通行止めや橋りょうの落橋等が発生したため、陸路からの人命救助や救援物資の輸送ができない状況となった。県は国の「くしの歯作戦」と連携し、救援道路の啓開や仮設道路工事を実施。被災地域に向かう道路は3月15日までに確保された。
 5月10日より災害査定※が開始されたが、被害が広範囲かつ甚大なため、県は国と手続簡素化の協議を重ねた。その結果、現地決定額や机上査定申請額の拡大等の大幅な簡素化が認められ、年内に査定を完了。平成23年度末集計分の道路災害復旧費は、県管理道路1437か所が約515億円、橋りょう災害復旧費は、県管理橋りょう128か所が約327億円に達した。
 10月、県は今後10年間の道筋を示す「宮城県震災復興計画」を策定。これを受けて県土木部は「宮城県社会資本再生・復興計画」を策定した。この計画には、災害時に緊急輸送路を確保するための南北縦軸と東西横軸により形成されるはしご型道路ネットワークの整備や、広域災害では東北圏全域との連携が必要なため、県をまたぐ広域道路網の整備等、防災ネットワークの形成が盛り込まれた。
 一方、沿岸部では、離島や半島部の多くが孤立。中でも気仙沼大島では、気仙沼市本土との定期船が不通となり、長期間にわたり孤立した。県は平成24年1月、市のまちづくり計画と連携し「大島架橋事業」に着手。この事業は復興のシンボルとしても注目された。また、今後の対策として、防潮堤と並行する道路を盛土構造にして多重防御化する等、復興まちづくりと一体となった道路整備に取り組んでいる。

※ 災害査定:国庫補助事業により災害復旧を行う場合、申請内容が適正か国が現地で査定するもの

後輩たちへのメッセージ

関連項目

東日本大震災の記録(暫定版)

(宮城県土木部・平成23年9月)

東日本大震災 復旧期(平成23年度~平成25年度)の取組記録誌

(宮城県震災復興・企画部震災復興推進課・平成27年3月)

宮城県土木部 東日本大震災5年間の復旧・復興の記録

(宮城県土木部・平成29年3月)

災害に強いまちづくり宮城モデルの構築~東日本大震災からの創造的復興~概要版

(宮城県土木部土木総務課・平成29年3月)

宮城県土木部東日本大震災10年間の復旧・復興の記録

(宮城県土木部・令和4年3月)

東日本大震災アーカイブ宮城(外部サイトへリンク)

(宮城県図書館)

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