東日本大震災宮城の震災対応記録

(職員インタビューによる震災の記憶・経験の伝承)

東日本大震災 宮城の震災対応記録 > 記録一覧 > 医療機関・社会福祉施設の復旧

ここから本文です。

医療機関・社会福祉施設の復旧

 東日本大震災により県の医療機関は甚大な被害を受けた。特に沿岸部においては、多くの医療機関が機能停止になる等、被害は深刻であった。県は、発災直後のDMAT、その後の医療救護班の派遣により、応急的な医療体制を確保したが(詳細はテーマ「医療救護対策」参照)、被災した医療機関の復旧は急務であった。平成23年5月補正予算で仮設診療所の設置費用が予算化されたが、広域的に仮設診療所を整備するには十分な予算ではなかった。
 医療機関の本格復旧の主な財源となる医療施設等災害復旧費補助金は、従来は公立病院のみを対象としてきたが、東日本大震災においては被害が広範囲に及んだため、救急対応や休日当番医を行っている民間の医療施設及び歯科医療施設も対象となった。しかし、国庫補助金は原則建物のみを対象としていたため、県は、国庫補助金以外に設備、機器等の支援策が必要であると判断し、宮城県医師会等の協力を得て、8月に国の交付金を活用した「地域医療再生事業(緊急的医療機能回復分)補助金」を創設した。
 医療機関同様、県内の社会福祉施設等も甚大な被害を受け、沿岸部では多くの施設が全壊・大規模半壊となった。
 高齢者福祉施設については、被災した入所者の多くが一般の避難所に避難していたため、介護環境が整った施設への早期移転が急務であり、県は他県の施設を含め入所調整を行った。施設の復旧に関しては、平成23年9月から災害査定を開始し、新築移転を伴う施設は平成24年度から実施した。
 障害者福祉施設については、平成23年度が障害者自立支援法の改正法施行の年となっており、その基盤整備の補助金が有効であったため、国庫補助金と合わせて活用することで、迅速な復旧支援を行った。
 児童福祉施設については、国庫補助の対象とならない学校法人立保育所や認可外保育所の復旧を支援するため、平成23年8月、県の復興基金を財源とした「被災私立保育所等整備支援事業」を創設し、迅速な保育環境の整備を図った。

後輩たちへのメッセージ

関連項目

東日本大震災~保健福祉部災害対応・支援活動の記録~

(宮城県保健福祉部保健福祉総務課・平成24年12月)

東日本大震災―宮城県の発災後1年間の災害対応の記録とその検証―

(宮城県総務部危機対策課・平成27年3月)

ご意見・ご感想

記録誌やインタビューをご覧いただいて、ご意見やご感想をお寄せください。

いただいたご意見の一部は当ページで公開させていただく場合がございます。ご了承ください。

投稿フォームへ