「放射光施設」とは強力なX線(放射光)により、ナノ(10億分の1)レベルの微細な観察や分析ができる施設であり、国内9か所(左図)に設置されている。
平成23年12月、東北7国立大学の有志が、東北への放射光施設の設置を文部科学省に要望した。その目的は「東日本大震災からの単なる復旧・復興と言う視点を越えて、東北地方やその周辺地域での科学技術・産業技術の革新的振興を図るため(趣意書より抜粋)」であり、それは宮城県の目指す創造的復興にも大きく寄与することが期待された。
県はこの活動を後押しし、平成26年7月、宮城県が事務局となり、東北地方の産学官27団体が一体となった「東北放射光施設推進協議会」(以下「協議会」)が設立された。
平成26年8月、宮城県知事を含む協議会共同代表3者により、「東北放射光施設計画の早期実現に向けての要望書」を文部科学省に提出。産学官一体となった要望活動の結果、国での検討も始まり、平成28年11月、文部科学省に「量子ビーム利用推進小委員会」が設置され、様々な検討がなされた。小委員会での検討の結果、平成30年1月、「官民地域パートナーシップ」による放射光施設のパートナー募集を行うことが発表された。
同年7月、一般財団法人光科学イノベーションセンターを代表機関として、宮城県、仙台市、東北大学、及び一般社団法人東北経済連合会がパートナーとして選定され、東北大学青葉山新キャンパスが立地場所として決定された。
平成31年3月に東北大学青葉山新キャンパスにおいて敷地造成に着手し、令和6年度からの本格運用を目指している。