東日本大震災宮城の震災対応記録

(職員インタビューによる震災の記憶・経験の伝承)

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職員の確保

 地方公共団体が被災自治体に対して行う人的支援は、短期的な応援職員の派遣(数日から1か月程度)と、地方自治法に基づく中長期的な派遣に大別される。発災当初は、市町村の避難所運営や窓口業務等へのニーズが高く、支援の中心は短期的な職員の派遣であったが、その後の本格的な復旧・復興には、中長期的かつ専門性の高い人員の確保が必要なため、県は、平成23年6月、第1回の自治法派遣職員を受け入れた。また、復旧・復興の加速化のためには、県の人員計画を見直し、採用数を増やすとともに、幅広い職種での採用を拡大することが求められたため、平成24年5月から、土木職等技術系の、平成25年6月からは、県の一般事務に当たる任期付職員の採用を行った。
 被災市町への人的支援は、自治法派遣職員、任期付職員のほか、各省庁が支援スキームを立ち上げたり、市町が独自に派遣要請を行う等、県全体の連携が取れていない状況であった。県は、復興に向けた職員確保に関する情報共有と課題の整理・検討を図るため、平成24年6月、「市町村震災関係職員確保連絡会議」を設置。第1回会議で「宮城県市町村関係職員確保アクション・プラン」が承認され、これに従い、県と沿岸市町が全国を訪問し、対口支援方式(市町ごとにカウンターパートを設定)による派遣要請を行った。平成25年1月には、市町に派遣する任期付職員の採用を開始。また、同年から岩手県、宮城県、福島県の被災3県が合同で全国の自治体を訪問し派遣要請を行った。
 国が定めた5年間の集中復興期間の最終年となる平成27年は、復興事業がピークを迎えており、全国からの支援がなければ事業が停滞する可能性があった。このため、県は派遣元の自治体担当者を被災地に招いて復興状況を視察してもらい、職員派遣の継続を要請する「宮城県内被災自治体視察事業」を開始した。また、平成28年には、県職員の災害対応の経験をこれからの災害に生かすためのデータベース「宮城県職員災害対応人材バンク」を整備した。

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