東日本大震災宮城の震災対応記録

(職員インタビューによる震災の記憶・経験の伝承)

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国への要望

 発災当日、政府要望を所管する企画総務課(その後の震災復興・企画総務課)では、政府調査団の来庁に合わせて、最初の要望書を知事から手渡すため、その取りまとめの作業に入ったが、庁内全体が発災直後の混乱した状態の中にあり、各部局からの要望をほぼそのまま取りまとめた形で、国に対して、発災後に最初となる政府要望を行った。通常の政府要望は年に一度、次年度予算や制度変更について行っており、その項目数は県全体として20項目程度であった。発災後の項目数は200項目を超え、企画総務課だけでそれらの精査、取りまとめは困難であったため、財政課と業務分担を行い、要望内容を整理することとなった。
 平成23年4月11日、国において、有識者からなる東日本大震災復興構想会議(以下「復興構想会議」)の設置が閣議決定され、初会合となった4月 14 日から約2か月間で12回開催された会議において、県は国に対して直接的に働きかけを行った。その結果、6月25日、復興構想会議において正式決定された提言「復興への提言~悲惨のなかの希望~」は、高台移転等の地形の特性に応じたまちづくり、復興特区の創設、財源の確保等、県が要望した内容がおおむね盛り込まれたものとなった。
 平成23年7月、国は「東日本大震災からの復興の基本方針」を策定し、平成27年までの5年間を「集中復興期間」と位置付け、実質的な自治体負担をゼロとする異例の措置を取った。
 平成24年2月には復興庁が、また3月には復興推進委員会が設置され、復興への課題改善の場となった。
 県は、集中復興期間の延長と特例的な財政支援の継続等を国に要望していたが、平成27年5月、国は、平成28年度以降の5年間を「復興・創生期間」とし、「全国共通の課題への対応との性質を合わせ持つものについては、被災自治体においても一定の負担を行うものとする」ことが示された。これに対して県は、知事が復興推進委員会において、特例的な財政措置の継続や自治体負担の在り方について意見を述べる等、国への働きかけを行った。
 平成27年6月3日、国から「平成28年度以降の復興事業に係る自治体負担の事業対象及び水準について」が公表され、自治体負担率は被災地に配慮されたものとなり、県の要望が受け入れられた形となった。

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