東日本大震災宮城の震災対応記録

(職員インタビューによる震災の記憶・経験の伝承)

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復興推進体制の構築

 県は、発災と同時に災害対策本部を設置し、災害応急対策に従事できる全職員を対象とした非常配備体制を敷いた(詳細はテーマ「災害対策本部の設置・運営」参照)。3月14日から5月8日までの間に、延べ1430人の職員動員を行った。災害対策本部は、被災地の応急復旧が完了するまでの業務が主であり、被災地の本格的な復興を推進するためには、中長期的な視点に立った核となる組織が必要であった。4月22日、県は「宮城県震災復興計画」の推進と復興施策の確実な実施、総合調整を行う組織として「宮城県震災復興本部」を設置した。これに伴い、「企画部」を再編し「震災復興・企画部」を設置、部内の組織についても再編を行った。7月1日には、4月から延期していた職員の定期人事異動を実施するとともに、総務部危機対策課に「震災対策チーム」を、保健福祉部に「震災援護室」を、土木部に「復興まちづくり推進室」を設置し、復興に向けた組織体制を整備した。
 さらに9月1日には、被災地からの震災廃棄物の撤去を速やかに行うため環境生活部に「震災廃棄物対策課」を設置する等、その後も復興の進捗に合わせた課題解決のために組織改編を行った。
 震災復興本部には当初四つの作業部会が設けられたが、そのうち、「生活者支援検討部会」は「被災者生活支援実施本部」に改組した。県内の避難所が閉鎖されるにつれて、応急仮設住宅での生活が長期化することが想定されており、その生活支援が大きな課題となっていたためである。同本部は、その後令和2年度末まで36回の会議を重ね、被災者の生活再建に係る様々な課題の解決を図った。
 また、「復興地域づくり検討部会」は「まちづくり・住宅整備推進本部」に改組、まちづくりに係る課題への対応策を検討し、国への要望活動を強化した。
 平成25年2月、国への要望活動が実り、復興基金交付金(津波被災住宅再建支援分)709億円が県に対して交付され、これに県の復興基金19億円を加えた728億円を県から各市町に交付することとなった。その後、まちづくり・住宅整備推進本部は、復興まちづくり事業カルテの公開、防災集団移転による移転元地活用を検討するためのワーキンググループの設置等、被災地のまちづくりに関する取組を庁内横断的に展開する役割を果たした。

後輩たちへのメッセージ

関連項目

東日本大震災­ー宮城県の6か月間の災害対応とその検証ー­

(宮城県総務部危機対策課・平成24年3月)

東日本大震災­ー宮城県の発災後1年間の災害対応の記録とその検証ー

­(宮城県総務部危機対策課・ 平成27年3月)

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