東日本大震災宮城の震災対応記録

(職員インタビューによる震災の記憶・経験の伝承)

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心のケア対策

 災害後の心のケアの必要性が意識されるようになったのは、平成7年の阪神・淡路大震災以降のことである。県は、3月13日に厚生労働省に対し、他都道府県等の心のケアチーム派遣調整を依頼し、17日には、県外の精神科医や精神保健の専門職による「心のケアチーム」の精神科病院や避難所への派遣を開始した。また、子ども総合センターも、児童精神科医・心理士・保健師・教員で組織した「子どもの心のケアチーム」による巡回訪問を開始した。12月には、心のケア対策の活動拠点となる「みやぎ心のケアセンター」の基幹センターが仙台市内に開設された。
 県教育委員会(以下「県教委」)では、学校再開後の児童生徒の心の問題に対処するため、4月に県内スクールカウンセラー(以下「SC」)に対し研修を行い5月に派遣を開始した。しかし、県内の被災小中学校全てに派遣することは困難であったことから、一般社団法人日本臨床心理士会の協力を得て、県外SCの緊急派遣を行った。また、被災した多くの高校からも、SCの長期にわたる継続的な派遣について要望があり、5月から県外SCの緊急派遣を行った。子ども総合センターでは、平成24年4月、従来からの医療を中心とした「子どもの心の相談」に加え、精神保健の相談に抵抗がある保護者や表面化しにくい問題(解雇、不安、混乱、退行等)を抱える子どもたちに対応するための「子育て相談」を開始した。さらに、平成26年4月には、子どもの心の問題が複雑化し、保育士や教員らが苦慮している状況がうかがえたことから、「子どもの心のケアチーム」の活動を継承しつつ、適切な支援者支援を強化するための「心のケア推進班」を設置した。また、長期的支援を視野に入れた子どもの心のケアの在り方に係る有識者の意見を踏まえ、支援の現場で活用できる実効性のある方策を探るため「子どもの心のケアに関する検討会議」を設置し、その検討結果に基づき、リーフレット「震災から5年目、見つめよう!子どもたちの心」を発行、さらに県内の子ども支援施設を網羅した「子どもの心を未来につなぐみやぎ子ども支援マップ」を作成する等、子どもの心のケア対策に取り組んでいる。

後輩たちへのメッセージ

関連項目

東日本大震災に係る教育関連記録集

(宮城県教育委員会・平成24年4月)

東日本大震災~保健福祉部災害対応・支援活動の記録~

(宮城県保健福祉部保健福祉総務課・平成24年12月)

東日本大震災ー宮城県の発災後1年間の災害対応の記録とその検証ー

(宮城県総務部危機対策課・平成27年3月)

東日本大震災における子どもの心のケアに関する報告書

(宮城県子ども総合センター・平成28年3月)

みやぎ心のケアセンター公式活動記録 2011ー2020(外部サイトへリンク)

(宮城県精神保健福祉協会みやぎ心のケアセンター・令和3年3月)

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