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宮城県では農政部農山漁村なりわい課を中心に,高齢化や人口減少が著しい農山漁村地域において,集落機能の維持・向上を図るため,地域の課題把握や解決方法を検討する地域住民の話し合いや地域資源を活かした活動をサポートし,地域を担う人材の育成や地域内外の多様な人材が関われる仕組みづくりを通して,持続可能な農山村地域の体制づくりを支援しています。
大崎管内では,大崎市鳴子温泉鬼首地区の伝統芸能「鬼首神楽」の継承に向けた体制づくりに取り組んでいます。
鬼首神楽の起源は不明ですが,岩手県の南部神楽の流れを汲んでいるとされ,江戸時代後期頃から踊り継がれています。
舞手自らが歌詞を歌い上げるのが特徴で,舞手は地域住民の幸せを願って舞い,住民は「祭り=神楽」というような親しみをもってきました。平成28年度には大崎市指定無形民俗文化財に指定されました。
一時,神楽の活動が衰退した時期もありましたが,1925年(大正14年)に地域の中から神楽を再興させようと有志が立ち上がり「鬼首神楽保存会」を結成しました。
その後,戦争による活動中断もありましたが,約100年もの間,地域の伝統を守り続けてきました。
毎年,9月には鬼首地区にある荒雄川神社で奉納神楽が執り行われます。
また,20年ほど前から,地元の鬼首小学校の高学年生児童を対象に神楽を体験してもらい学習発表会にて披露する活動も行っています。
しかし,現在の保存会会員は6名にとどまり,舞手の高齢化も進み,次世代の担い手の確保が課題となっております。演目は20から30ほど存在しますが,舞手が少なく全てを継承していくには厳しい現状にあります。
夜明けを告げる鶏のトサカを表す絵帽子を被り舞う。神事や式典など祝の場で奉納する。
舞台奉納での最初の演目、舞台を清める。舞手は翁の面を被って祝の口上を歌い上げる。
天照大神が岩戸に閉じこもって世界が暗闇に包まれたため、多くの神々が集まり岩戸を開ける場面。
平家の若き武士平敦盛と源氏の武将熊谷直実が一の谷にて一騎討ちし、熊谷が勝利を得る場面。
鬼首神楽保存会では神楽の伝承への取組みをサポートする人材の確保や舞手の確保のため,令和元年度から令和4年度にかけて保存会のメンバーや地域住民を集めワークショップを開催し,定期的に鬼首神楽の将来を考える話し合いの場を設けてきました。その中で,「後継者不足」や「PR不足」という課題が挙げられたため,カレンダーやパンフレットを作成し,地域住民を中心に神楽の魅力を発信しました。
鬼首神楽パンフレット(令和2年度作成)(PDF:1,925KB)
また,令和3年度には伝統芸能発表会を開催し,約100人もの観衆の前で演舞を行いました。
現時点では,まだ,新たな会員の加入には至っておりませんが,演舞の際に着用する衣装の作成や演舞の鉦(かね)の奏者、神楽の映像撮影などを通して神楽を支えてくれる「サポーター」は7名ほど増加しました。
今後も保存会では,結成100年を記念するイベントの開催に向けてホームページの開設などを行い神楽を広める活動に力を入れていきます。
荒雄川神社で令和4年9月9日に行われた奉納の「鶏舞(とりまい)」の様子を宮城県広報課公式Youtubeチャンネルで公開しています。
鬼首神楽保存会ではともに活動する会員を募集しています。
地区内外を問わず大歓迎です。
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