メルマガ・みやぎ 応援職員の声No.12
応援職員の声・・・水産業振興課
県は、東日本大震災からの復興を進めるため、全国の自治体から多くの応援職員を派遣していただいています。ピーク時には約1,000人、現在も約390人(1月1日時点)の応援職員が県内各地で事業に取り組んでいます。
このコーナーでは、震災復興業務に携わっている応援職員の方々にインタビューを行い、復興の進捗(ちょく)や宮城の生活で新鮮に感じたエピソードを通し、「宮城の今」をお伝えします。
今回は、広島県から派遣され、水産業振興課販路開拓支援班で、震災で失われた水産品販路の回復、新規開拓業務などに携わる神鳥浩典(かんどりひろのり)さんにお話を伺いました。
- 編集部
派遣の時期、任期について教えてください。
- 神鳥さん
当初の派遣任期は、平成31年4月から令和2年3月までの1年間でした。1年間だけの派遣は正直短いと感じていて、任期の継続更新を希望し、令和3年3月31日までとなりました。
- 編集部
なぜ派遣職員に応募したのですか。
- 神鳥さん
震災当初、気仙沼市へボランティアに行ったこともあり、以前から震災復興に携わりたいと考えていたためです。また、新しいことに挑戦したいという気持ちもあり、応援職員として宮城県に来ました。
- 編集部
派遣が決まった際、周りの人たちの反応はいかがでしたか。
- 神鳥さん
家族や職場の同僚たちからは、驚かれることはなく、妙に納得されました。
- 編集部

現在の業務について教えてください。
- 神鳥さん
所属している販路開拓支援班は、震災で失われた水産業の販路を回復させるとともに、新しい販路を開拓できるよう支援を行っています。
例年であれば,水産加工業者を対象に個別商談会を開催していたのですが、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、今年度はオンラインでの開催となりました。上手くいくか不安もありましたが、多くの業者に参加いただき評判も上々でした。
また、耳石(じせき)ハンターの取り組みにも少し携わっています。耳石とは、魚の頭蓋骨内にある「魚の宝石」とも呼ばれる石状の組織のことです。魚食の普及を期待し、耳石を収集した方に「耳石ハンター認定証」を交付しています。
- 編集部
復興の進捗状況について、どう思われますか。
- 神鳥さん
ハード面はほぼ完了していると思います。しかし、気候変動による資源の増減や新型コロナウイルス感染症の影響もあり、生産量や販売量、流通量が震災前と同規模に戻りきる前に,水産業を取り巻く状況が変化してきています。震災復興だけでなく、新たな課題がどんどん増えている印象があります。
- 編集部
今後、応援職員としての経験をどう生かしていきたいですか。
- 神鳥さん
応援職員の業務を通して、水産業の販路開拓支援は重要な行政の仕事の1つだと実感しました。宮城県は特に販路開拓支援に力を入れていますので、応援職員として培った経験を生かし、広島県でも水産業を盛り上げていこうと思います。また、広島県でもあまり認知されていない耳石ハンターの取り組みの周知もできたら行いたいと思います。
宮城県はカキやホヤ、ギンザケなど水産物が豊富で水産業界の規模が大きく、水産エコラベル認証取得などの先進的な取り組みをされています。広島県は、水産エコラベル認証取得に動き出したばかりなので、これらの取り組みを積極的に行いたいと考えています。
※水産エコラベル認証制度:水産資源の持続的利用、環境や生態系の保全に配慮した漁業・養殖により生産された水産物と、そのような水産物が混ざることのない加工・流通過程を認証する制度のこと
- 編集部
宮城県での暮らしはどうですか。
- 神鳥さん
私は広島生まれ広島育ちで、今まで県外に出る機会がなく、県外に住むのは宮城県が初めてです。宮城県は四季がよく感じられ、広島県と街の規模感が似ているため、住みやすく感じています。
塩釜魚市場や青葉城を観光したり、B級グルメの麻婆焼きそばを食べたりと宮城県を満喫中です。
- 編集部

最後に、広島県の紹介をお願いします。
- 神鳥さん
広島県は原爆ドームや世界遺産・厳島神社のある宮島、お好み焼き、カキなどが有名です。宮島には、揚げたもみじまんじゅう「揚げもみじ」があり、とてもおいしいのでお薦めです。また、広島県産のカキは宮城県産と異なり、生食ではなく調理して食べるものが多いので、広島県を訪れた際にはぜひ食べてみてください。
編集部から一言
神鳥さんからは、コロナ禍で日々奮闘している仕事ぶりや、何事にも挑戦する姿勢が伝わってきました。
広島県の「揚げもみじ」とてもおいしそうですね。今はコロナ禍で広島県へ旅行には行けませんが、いつか宮島に「揚げもみじ」を食べに行ってみたいと思います。