メルマガ・みやぎ 応援職員の声No.10
1 応援職員の声・・・仙台地方振興事務所農業農村整備部
県は、東日本大震災からの復興を進めるため、全国の自治体から多くの応援職員を派遣していただいています。ピーク時には約1,000人、現在も約322人(8月1日現在)の応援職員が県内各地で事業に取り組んでいます。
このコーナーでは、震災復興業務に携わっている応援職員の方々にインタビューを行い、復興の進捗(ちょく)や宮城の生活で新鮮に感じたエピソードを通し、「宮城の今」をお伝えします。
今回は、宮崎県から派遣され、仙台地方振興事務所 農業農村整備部管理指導班で、災害復旧に伴う土地利用の整理に携わる下岡由治(しもおかゆうじ)さんにお話を伺いました。
- 編集部
派遣の時期、任期について教えてください。
- 下岡さん

当初の派遣期間は、平成31年4月から令和2年3月までの1年間でしたが、もう1年宮城県で震災復興業務に携わりたいという思いもあり、今年度末まで1年間延長されました。
- 編集部
現在の業務内容を教えてください。
- 下岡さん
現在の業務は、津波により耕土の流出やガレキを含む土砂の堆積など甚大な被害を受けた農地の災害復旧とともに、大区画化などの農地整備を一体的に実施する事業に携わっており、その中でも土地改良法により集団化を図る換地業務を行っています。
もともと宮崎県では、統計に関する業務に携わっており、宮崎県の推計人口や国の基幹統計の取りまとめを行っていました。今年は5年に1度の国勢調査が10月に行われるので、統計に携わっていた者として進んで調査に協力したいと思います。
- 編集部
派遣職員に応募したとお聞きしたのですが。
- 下岡さん
宮崎県は、南海トラフ地震が発生した場合、津波の影響を受ける地域とされています。津波対応の参考となる宮城県で、災害対応や復旧・復興事業の経験を積みたい思い、応募しました。
- 編集部
派遣が決まった際の家族や周りの人たちの反応はいかがでしたか。
- 下岡さん
「がんばってきない」「お土産待ってるよ」と温かく見送ってくれました。
- 編集部
復興の進捗(ちょく)状況についての印象を教えてください。
- 下岡さん
宮城県に来る前は、仮設住宅が多く建ち並んでいるものだと思っていましたが、現在、仮設住宅はほとんどなく、インフラ整備などのハード面は、順調に進んでいるように思います。被災者の心のケアや地域コミュニティの再生などのソフト面は、中長期的な課題であるため、復興期間終了後も継続する必要があると考えています。
- 編集部
派遣の経験をどう生かしたいですか。
- 下岡さん
今後、南海トラフ地震が発生し、宮崎県が被災した場合、東日本大震災の復旧・復興事業と同様の枠組みで対応すると思います。その時は、宮城県での事務経験を生かすことができると考えています。
今回の派遣は多くの方とつながりを持つことができたので、宮崎県で被災した時は、宮城県職員の方に相談し、復旧・復興業務を行いたいと思います。
今後も被災時の教訓などについて多く学び、派遣元に伝えていきたいです。
- 編集部
宮城県での暮らしはいかがですか。
- 下岡さん
応援職員として宮城県に派遣されるまでは、東北に来たことがありませんでした。実際に来てみると九州に比べて夏は涼しく、冬でも雪がさほど積もらない環境なので、とても過ごしやすいと感じています。こちらに来てからは、冬にスノーボードをするようになりました。また、お酒を飲むことが好きで、宮崎県では焼酎を飲んでいましたが、宮城県に来てからは日本酒にはまっています。好きな食べ物は、海産物と仙台名物のマーボー焼きそばです。
- 編集部
最後に、宮崎県のPRをどうぞ!
- 下岡さん

宮崎県は、平均気温、日照時間、快晴日数が全国トップクラスで、まさに「日本のひなた」を思わせる南国情緒豊かな気候です。この暖かい気候のおかげで、プロスポーツチームのキャンプ地としての利用や県内外からゴルフ、サーフィンなどを目的に多くの方が来ます。
グルメは、5年に1度開催される和牛のオリンピック「全国和牛能力共進会(平成29年)」で、9部門中3部門で全国1位に輝いた宮崎牛です。なんと、アカデミー賞のアフターパーティにおいて、3年連続で採用されています。この他にも、地鶏やマンゴー、宮崎県の発祥のチキン南蛮などもお薦めです。
観光地としては、高千穂町にある「真名井(まない)の滝」が有名です。この滝は、貸しボートに乗って近づくことができ、高さ約17メートルから水が落ちる様は圧巻です。また、日南海岸の小高い丘には、「モアイ像」7体が並ぶテーマパークがあります。これは、日本の企業や石工らがイースター島のモアイ像を修復したことをきっかけに、イースター島から正式に許可をもらい完全復刻したものです。あとはギザギザの岩が整然と並び「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇岩に囲まれる青島。その中には、1200年ほどの歴史を持つ青島神社があります。
宮城県から九州は遠いですが、ぜひ一度お越しください。
編集部から一言
爽やかでエネルギッシュな下岡さん。
下岡さんは、入庁前から災害関係の仕事に携わりたいと考え、経験を積むために被災地である宮城県に応援職員として来られたようです。取材時は、震災復興に貢献したいという思いが強く伝わってきました。
応援職員2年目の今年は東北の魅力をもっと知ってもらい、宮城県が第二の故郷と呼べる場所になってくれればと思います。