「“みやぎの現場”訪問事業」(大崎広域圏)の概要・平成21年度
(1)8時45分~9時45分 大崎市三本木子育て支援総合施設「ひまわり園」(大崎市三本木字鹿野沢7-1)
平成20年度から幼稚園,保育所,地域子育て支援センターが統合され,子育て支援総合施設として運営されている。建物は木造で,各部屋の配置にもこだわり,「子育てのしやすさ」を求めたぬくもり感のある施設である。また,食育にも力を入れている。
高橋百合子園長に御説明いただきました。
(主な意見)
- 幼稚園と保育所ではギャップが大きく,幼稚園教諭も保育士も新しい仕事に戸惑い,一年目はかなり苦労があった。一元化には勤務体制の整備が必要である。
(知事のコメント)
- 色々な施設を見たがここは導線もよく考えられており,すばらしい施設である。
待機児童ゼロを目標としているが,特に都市部で苦労している。ここをモデルにこのような施設を全県に配置できるよう取り組んでいきたい。
(2)10時15分~11時15分 有限会社マルセンファーム(大崎市鹿島台大迫字上志田350)
水稲に加え,ホウレンソウ,デリシャストマト,菊の生産に順次取り組み,大規模施設園芸を展開している。平成16年に法人化し,家族経営から企業経営に発展したアグリビジネスのモデル事例となっている。
千葉卓也代表取締役に御説明いただきました。
(主な意見)
- 自然堆肥,有機質肥料による土づくりにこだわり,「安全・安心・おいしくて新鮮」をモットーに生産し,「花屋果市場」や「元気くん市場」などに出荷している。
- ホウレンソウ,トマト,菊などを時期をずらして組み合わせることにより通年雇用を確保している。
(知事のコメント)
- 生産者の顔が見える安全・安心で味にもこだわりを持ち,土づくりから取り組まれている大変さがよくわかった。
- 今後も売上金額1億円以上の経営体育成を目指して,アグリビジネスの育成・支援に取り組む。
(3)13時00分~14時00分 ケミコン宮城株式会社(大崎市田尻沼辺字加良屋敷100-1)
アルミ電解コンデンサ等の国内トップメーカーである日本ケミコン(株)の国内生産拠点の一つである。「環境と人にやさしい技術への貢献」を基本理念に社会貢献,地域貢献にも配慮した生産活動を行っている。また,遠田地区エコフォーラムの幹事企業として廃棄物適正処理のための情報共有化を進めている。
吉田茂樹代表取締役に御説明いただきました。
(主な意見)
- アルミ電解コンデンサは電化製品の電気をためる部品で電化製品には必ず使用されている。1家庭におよそ1000個,車1台に150~200個使われている。
- ケミコングループ全体の生産10億個/月のうちケミコン宮城で1億7000万個を生産している。以前は3億個生産しており,いわゆるリーマンショックで1億個まで減ったが,現在,補助金などによる自動車産業の好調に支えられ回復しつつある。
(知事のコメント)
- 宮城県の「ものづくり」は県民総生産の10数パーセントしかない。10~15年かけて20~25パーセントへ引き上げたいと考えている。そのためには企業誘致だけでなく,地元企業の育成や人材育成にも取り組んでいく。
(4)14時35分~15時05分 JA古川肉牛部会長 大友 學(しゅう) 氏(大崎市古川字伊達ヶ森58)
仙台牛優良生産農家として肥育牛を約70頭飼養し,水稲と畜産を複合的に経営している。
仙台牛銘柄推進協議会副会長として地域内一貫生産を強く推進し,仙台牛の銘柄確立に取り組んでいる。平成21年度に仙台牛基幹産地農協枝肉共進会最優秀賞を受賞。
大友學氏に御説明いただきました。
(主な意見)
- 若い人でもやる気のある人は多いが,畜産は軌道に乗るまでに時間がかかる。担い手が事業拡大で融資を受けた際に,利子補給する支援制度を作ってほしい。
- 若手(後継者)を対象とする「知事杯」のような表彰制度があれば,若手が競い合ってがんばれると思う。
(知事のコメント)
- 宮城の肉牛は全国で一番おいしいと思う。PRや販売方法も考えていかなければならないが,行政だけでは限界があるので,畜産に取り組まれている皆さんの御協力をお願いしたい。
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