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私たちの生活に欠かせない下水道。
今回は中南部下水道事務所 施設管理班の大友一晃さん(技術次長)に下水道の大切さについて、お話を伺いました。
多賀城市大代にある中南部下水道事務所は、仙台都市圏の仙塩および吉田川流域下水道、仙南圏の阿武隈川下流流域下水道、そして大崎圏の鳴瀬川流域下水道の4流域下水道を所管する下水道事務所です。
Q
中南部下水道事務所の業務概要を教えてください。
A
県内には7つの流域があり、それぞれの流域に下水道浄化センターがあります。ここ中南部下水道事務所は、仙塩、吉田川、阿武隈川下流、鳴瀬川の4流域にある下水道浄化センターを所管しており、仙塩浄化センターの管理棟内に事務所を構え21人の職員で業務を行っています。
各浄化センターは、指定管理者を置き運営していますが、中南部下水道事務所は、4つの浄化センターとそれにつながる流入管渠(かんきょ)等の管理や公共下水道の流入水を管理し処理機能の維持を図っています。
仙塩流域の仙塩浄化センターは、仙台市の一部、塩竈市、多賀城市、七ヶ浜町、利府町の汚水を処理しています。また4流域の処理人口は、合計で約72.9万人となっており、これは、県内人口231万人の約30.5%を占めています。
Q
下水道の仕組みについて教えてください。
A
下水道は、「汚水」をきれいにして川や海に戻したり、「雨水」を速やかに川や海に排水して浸水(しんすい)を防ぎます。
下水道には、雨水と汚水を別々の管路で浄化センターまで送る方式の「分流式下水道」と、一緒に送る「合流式下水道」の二通りがあります。県が所管する浄化センターは、全て分流式を取り入れています。
処理過程を水の流れに沿って紹介します。
Q
現在、力を入れていることはなんですか。
A
汚泥を処理する段階でメタンガスを主成分とする消化ガスが発生します。これまで約70%は焼却炉等の燃料として有効利用し、残りの30%を焼却していました。今年の4月からこの余剰消化ガスを有効利用する発電事業を導入し、発電事業者にガスを売却することにしました。今後20年間で約4億円の収入が得られる見込みとなっています。地球温暖化防止に貢献するとともに、未利用エネルギーを利用し新たな収入を得ることで、下水道経営の健全化を図っていきます。
また、現在は水道用水供給事業、工業用水道事業、流域下水道事業をそれぞれ個別に民間事業者に運転管理を委託していますが、この水道3事業を上工下水事業として一体化し、民間事業者の参入を促す取り組みも進めています。それに伴い、維持管理にかかるコスト削減などが期待でき、料金上昇の抑制や経営の安定化の効果が生まれると考えています。
Q
読者(県民)にお願いしたいことはありますか。
A
普段あまり意識していないと思いますが、下水道は私たちの生活にとってとても大切なものです。
異物(紙おむつ、ウェットティッシュ、タオルなど)、油、水に溶けないものなどを流すと、水をきれいにする過程で使用するポンプや機器の破損、微生物への悪影響につながります。流さないように十分注意してください。
最後に、各浄化センターで、実際の処理施設を見学し、下水道の処理過程を学べる「施設見学」を随時募集、実施しています。
施設見学の受付・案内については各施設指定管理者にご連絡ください。
『中南部下水道事務所』HP
-≫http://www.pref.miyagi.jp/site/sab/kenngaku.html
インタビュー後、浄化センター内を見学させていただきました。生活に欠かすことができない施設と分かっていながら、仕組みまで考えたことがなかったのでとても勉強になりました。微生物の働きを利用して処理をしていること、何回かの工程を経てきれいな水になる仕組みがよく分かりました。
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