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県南で地元企業や自治体が取り組む地域の活性化を独特な手法で支える「ふらっとーほく」の皆さんにお話を伺いました。
——活動の経緯、事業のきっかけは?
震災支援を機に知り合った当時20代・30代のボランティアや、県南出身者で、地元の復興を手助けしようと、平成23年4月に「ふらっとーほく」を設立しました。全国から多くの人が「ふらっと」東北に来て、一緒にボランティアできるよう、蔵王の温泉に泊まって沿岸部へ来てもらうという活動を始めたのが名前の由来です。
現在は企業や自治体が地域の活性化に取り組む際のサポート役として、調査・企画、体験型研修、人材募集の支援を行っています。
——事業内容を教えてください
私たちは地元経済活性のためのコーディネーター集団です。取り組んできたテーマは、まちづくり、移住、農業、事業継承と幅広いです。まずは、さまざまなご相談を受けることから始まります。内容の大半は、人材不足や過疎など、日本全国で皆さんが悩んでいること。どうしても、対策も似たり寄ったりになりがちで、頑張っているのに、思った成果が出ないという声も多いです。そこで私たちは「本当の問題は何か?」という現場の観察と分析に8割以上の労力を割いています。研究者、元公務員などのメンバーが在籍しており、協力者も人類学者から高校生まで多数おり、分野・世代を超えた人材の多彩さが強みです。
——移住促進も現場の観察と分析から始まったのですか?
はい。震災により急激な人口減少が起こった山元町では、移住者を増やしたいという課題がありました。全国の自治体が移住者の誘致にしのぎを削っています。町の強みを生かした地に足の着いた企画が必要でした。
地域をくまなく歩いてみると、震災ボランティアをきっかけに町に来た方々の中に、首都圏で仕事や暮らしを続けながら、民宿の開設など、自分がやりたかったことを町で実現する方々が結構いる。そして彼らを起点に新たな雇用・移住者が続々と生まれている。今では「関係人口」などと呼ばれるそのような「面白い人」たちが町の資産になると分析しました。
そこで「観光」ではなく、「関係案内所」という窓口を全国に先駆けて立ち上げ、官民協働で「面白い人」たちを生かす取り組みを始めました。プロ編集者とまちを巡る合宿研修「旅するスクール」、郷土料理を首都圏で食べる「はらこめしナイト」など大小合わせて25以上の企画を連続で実施しています。
これまでに延べ800人、50団体以上の「面白い人」たちが主体的に町に出入りし、珍しい取り組みとしてテレビにも取り上げられ、移住者増にもつながっています。町のためにと、新たな滞在拠点をポケットマネーで建ててくださる建築家も現れました。
——取り組みで工夫していることは?
地元経済の活性化という課題解決のため、私たちは独特な手法を活用します。まちあるきツアー、たべくらべ企画、詩作や言葉遊び、同行調査を組み合わせたものです。一見、経済活性化とは程遠いような手法も積極的に用います。そのため以前は、何をしているか分からないと言われることもありましたが、成果が上がり、だいぶ理解をいただけるようになりました。
——今後の目標は?
地に足を着け、つながりを生かしまちの困りごとを解決していくのが理想です。次年度には震災から10年目になります。肩肘は張らず、大いに愉快にやっていきたいです。
【写真の説明】
一般社団法人ふらっとーほく
左から阿部拓也さん、代表理事の阿部結悟さん、阿部夕紀さん
TEL 0223(31)0095
http://flatohoku.jp/(一般社団法人ふらっとーほく)(外部サイトへリンク)
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