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「宮城県震災復興計画」における「再生期」の最終年度となる平成29年度は、「再生期」の総仕上げとしての取り組みを着実に実施するとともに、平成30年度からの「発展期」を見据え、地域経済の活性化策などの推進に努めました。
その結果、普通会計決算は、次の通りになりました。
平成29年度は、歳入が1兆3017億円、歳出が1兆1850億円(通常分7715億円、震災対応分4135億円)となりました(図1、2)。
教育施設や医療施設をはじめとした各種施設・公共インフラの復旧などのハード整備のピークが続いたほか、被災者の心のケア、被災地での文化芸術活動への支援などを通じて、被災者の生活再建や地域経済の再生に最優先で取り組むとともに、子ども・子育て支援や医療・介護、移住・定住推進、地方創生などの行政課題にも積極的に取り組みました。
また、新設した医学部の学生支援や外国人観光客誘致などによる交流人口の拡大促進など、「創造的な復興」に向けた取り組みを着実に進めました。
県の借金である県債残高の総額は、4年連続の減少となり、長年にわたる県債の発行抑制効果が現れています。なお、臨時財政対策債(※1)の割合が年々増加しています。(図3)
一方で、主な財政指標のうち、財政構造の弾力性を示す経常収支比率(※2)は、社会保障関係経費など義務的な支出の増加により97.2%と過去2番目に高い値となっており、柔軟な財政配分が難しい状況が続いています。
また、実質収支(※3)は149億円と、多額の黒字となっていますが、その大部分は復旧・復興関連事業によるものであり、国への返還などが必要となるものです。したがって、県が自由に使える剰余金ではなく、財政状況が好転しているとは言えません(図4)。
※1【臨時財政対策債】国の財政事情により交付されなかった地方交付税の替わりに発行する県債。返済財源は後年度に国が措置することになっています。
※2【経常収支比率】人件費や公債費など、毎年度経常的に支出される経費に充当された一般財源が、県税や地方交付税などの経常的収入に占める割合
※3【実質収支】歳入決算額から歳出決算額を差し引き、翌年度に繰り越すべき財源を控除した額
今後の財政状況については、復旧・復興の進展に伴い生じる新たな行政課題に加え、社会保障関係経費や公共施設の老朽化対応にさらなる財政需要が見込まれるなど、引き続き厳しいものと見込まれます。
一方、被災者の心のケアや児童生徒へのきめ細やかな対応など、復興の完遂に向けて、復興計画期間が終了する平成33年度以降も息の長い対応が必要な取り組みについては、国に対し財政支援の継続を求めるとともに、県の独自財源確保に努めていく必要があります。
このような状況を踏まえ、早期復興の実現と持続可能な財政運営に向けて、平成30年2月に策定した「新・みやぎ財政運営戦略」に掲げる歳入確保・歳出削減の取り組みの着実な実施に努めます。
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく指標によると、平成29年度決算の健全化判断比率は、全て健全な範囲にあります。
しかし、将来負担比率は、都道府県平均値を下回ったものの、実質公債費比率は依然平均値を上回っていることから、今後もこれらの指標の推移に十分注意しながら財政運営を行っていきます。
健全化判断比率 | 早期健全化基準※4 | 財政再生 基準※5 |
本県の 数値 |
都道府県 平均値 |
|
---|---|---|---|---|---|
実質公債費 比率 |
借入金(県債)の返済額などを指標化したもので、資金繰りの厳しさの度合いを示すもの | 25.0% | 35.0% | 14.5% | 11.4% |
将来負担 比率 |
一般会計等の借入金(県債)や将来支払いの可能性のある負担などの現時点での残高を指標化したもので、将来、財政を圧迫する可能性の度合いを示すもの | 400.0% | -- | 171.7% | 173.1% |
指標のうち、実質赤字比率および連結実質赤字比率については、全会計において赤字がないため、数値はありません。
※4【早期健全化基準】:財政状況の悪化により、自主的かつ計画的に財政の健全化が必要とされる基準
※5【財政再生基準】:財政状況の著しい悪化により、自主的な財政の健全化を図ることが困難な状況として、国の関与による計画的な財政の再生が必要とされる基準
お問い合わせ
財政課
TEL 022(211)2312
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/zaisei/(財政課)
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