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家庭での日常生活や工場などでの企業活動によって日々排出される汚水や、大雨などによって洪水を引き起こす雨水。それらの処理に欠かせないのが下水道施設です。
県民の生活環境とみやぎの豊かな自然環境を守るため、県は適切な下水処理に努めています。
県内の下水道は、仙台市内で明治32年、東京都、大阪市に続いて全国で3番目に整備が始まりました。現在は、県内全市町村で下水道整備が進み、下水道普及率は約8割に達しています。
下水道には、各市町村が管理する公共下水道と、県が管理主体となって2市町村以上の下水を処理する流域下水道があります。県内では市町村管理のものを含めて37カ所の下水処理場(浄化センター)で下水を処理しています。
震災では、県内の全市町村の下水道施設で被害が発生し、特に沿岸部は津波により甚大な被害を受けました。
そのため、沿岸部を中心に震災後しばらくの間は下水を十分に処理することができず、簡易処理で河川へ放流する緊急的な措置や、県民の皆さんに節水の呼び掛けを行うなどにより対応しました。
現在はおおむね震災前と同等の処理能力まで復旧していますが、沿岸の一部の地域では、今も復旧工事が続いています。大雨時には下水がマンホールからあふれる恐れもありますので、引き続き節水へのご協力をお願いします。
県が経営している上水道、工業用水道、下水道の管理を一体として、事業の一部の管理・運営を民間に委ねる「上工下水一体官民連携運営(みやぎ型管理運営方式)」の導入に向けた準備を進めています。民間のノウハウやスケールメリットを生かしてコスト削減を図るとともに、県と民間が連携して安心安全な水環境を提供していきます。
家庭や工場から出された汚水は、汚れを食べる微生物の力を用いて浄化し、さらに塩素で消毒して河川や海へ放流します。県内の下水処理場で処理されている下水は、合計で1日約69万立方メートル。これは25メートルプール約1400杯分に相当する量になります。
4月から3市2町(仙台市(泉区、宮城野区一部)、塩竈市、多賀城市、七ヶ浜町、利府町)の下水を処理する仙塩浄化センター(多賀城市)で、汚泥処理過程で発生する消化ガスを有効利用した発電事業が始まりました。
県と基本協定を締結した事業者がセンター内に建設した自社発電施設で、県が供給する消化ガスを用いて発電・売電を行います。県には20年間で約4億円のガス売却収入が見込まれます。
中南部下水道事務所
阿部 清一 所長
下水の汚泥処理過程でメタンガスを主成分とする消化ガスが発生します。これまでは施設の稼働燃料として活用してきましたが、このうち約3割は焼却処分していました。この未利用の消化ガスを発電燃料として売却することで、年間約2千万円の新たな収入が見込まれます。また、売却先となる事業者では化石燃料を使わずに発電が可能となり、年間約1130トンのCO2が削減できます。
下水道施設の維持管理には膨大な費用がかかります。人口減少社会の到来を見据え、施設運営のあり方が課題となってきました。仙塩浄化センターでは震災時に1.5メートルの津波が押し寄せ、下水処理機能が全面停止したため、復旧を最優先に取り組んできました。平成25年に下水道機能が完全復旧し、運営の効率化に取り組む環境が整い、消化ガスの有効活用を始めました。
この発電方式は、消化槽を使って汚泥を処理する下水処理施設で事業化が可能となったものです。県内では初、東北でも4番目の先駆的事業で、県内外の自治体から多くの問い合わせがありました。下水処理施設の運営モデルになれるよう、引き続き効率的で安定した施設の運営に努めていきます。
下水の処理過程を見学し、学ぶことができる「施設見学」を随時実施しています。ご興味のある方は、下記までご連絡ください。
申込先
仙塩浄化センター
TEL 022(364)2005
※その他の県浄化センターでも、施設見学を行っています。
お問い合わせ
県下水道課
TEL 022(211)3142
お問い合わせ先
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