「“みやぎの現場”訪問事業」(石巻広域圏)の概要・平成22年度
(1)10時~10時50分 ワイケイ水産株式会社(牡鹿郡女川町石浜字高森25-1)
女川港に水揚げされた新鮮なサンマの生出荷をはじめ,さしみ,すり身,みりん干しなど多彩な商品を生産。ほかにもサケやカニなどの加工品を生産・販売している。また,香港,台湾などに養殖銀ザケを輸出するなど,海外への売り込みにも積極的に取り組んでいる。
平成15年,19年に宮城県水産加工品品評会で水産庁長官賞を受賞した。
木村喜昭代表取締役社長に御説明いただきました。
主な意見
三陸の銀鮭とサンマが主力商品。特にサンマのハンバーグやつみれ,すり身などの加工に力を入れている。
- 将来的に,調理をしなくても食べられるような加工まで施した商品を開発したい。
知事のコメント
- 日本は人口が減少傾向となり,製品を海外に向けて販売していくことが重要になってきます。県内の事業者が海外へ進出しやすい環境をつくるための施策に取り組んでいきます。
(2)11時10分~11時50分 養護老人ホーム 「万生園」(石巻市沢田字折立入61-2)
昭和40年に石巻地区広域行政事務組合による広域事業として設立。平成20年11月に福祉施設としては県内初となるPFI方式による改築工事を機に運営を社会福祉法人こごた福祉会に移譲。管理棟・居住棟に地元の木材を使い,また,提供する食材も全て地元産の食材を使用するなど地産地消の推進に貢献している。
社会福祉法人こごた福祉会 寺尾登茂代理事長に御説明いただきました。
主な意見
自宅で生活できない利用者のため,外観はあえて施設らしくない設計にした。また,家具は地元の木材で,地元の建具屋に受注した。修繕を加えながら長く使っていきたい。
- 職員はできるだけ地元から採用している。また,定年はあるが,介護予防の意味もあり積極的に再雇用している。最高齢の職員は74歳
- 利用者に住んでよかったと思われる施設にしたい。
知事のコメント
- 立派な施設でびっくりしましたが,利用者のために細かいところまで配慮されていることがよくわかりました。
- 今後とも地元の福祉向上のためにご尽力をいただきたい。県も市と協力しながら支援させていただきます。
(3)13時30分~14時35分 日本製紙株式会社石巻工場(石巻市南光町2-2-1)
機械パルプ,化学パルプ,古紙パルプなどの多彩な原料により,様々な種類の用紙を生産。
印刷用紙の単独工場としては世界トップレベルの生産能力を誇る。木くず廃材を燃料としたバイオマス発電設備を整備し,二酸化炭素排出削減に取り組むなど環境分野での貢献も大きい。
倉田博美専務取締役工場長に御説明いただきました。
主な意見
N6マシン(日本製紙が培った技術を集大成した大型設備。徹底した自動化とコンピュータ管理により品質の安定と省力化を実現。生産量1,005t/日が可能)と同規模のマシンが中国でも建設されはじめた。中国はコストが安く,非常に厳しい状況にある。
- コストダウンのためには如何に手を掛けずに出荷するかが重要である。将来的には石巻港から直接海外へ出荷できればいいと思う。
知事のコメント
- 石巻,岩沼でたくさんの雇用を確保していただき,また,クリネックススタジアム宮城のネーミングライツなどご協力をいただき感謝しております。
- 今後も,石巻市と協力しながら,県民,市民が働きやすい環境をつくるよう努力します。
(4)15時~15時45分 エコランド・キムラ(株式会社木村土建)(東松島市大塩字五台23-2)
株式会社木村土建が運営する産業廃棄物中間処理施設。木村土建株式会社は「安全で環境に優しく高品質な施工を心がけ,コストの低減,未来の創造と企業の発展で地域社会に貢献すること」を経営基本方針として,建築から解体,産廃処分,リサイクルを一貫処理している。
中間処理施設では,徹底した選別工程と各種破砕処理の組み合わせにより減量化・再資源化を図り,リサイクル率の向上に取り組んでいる。
木村浩一代表取締役に御説明いただきました。
主な意見
埋めない,燃やさないを理念としている。
- 3年前から廃棄プラスチックを利用したRPF(廃棄プラスチックや古紙などを原料とした固形燃料。石炭などの化石燃料の代替え燃料として使用されている)製造に取り組んでいる。
- 廃プラスチックのリサイクル率が上がれば,全体のリサイクル率向上につながると思う。
知事のコメント
- たくさんの雇用を確保していただき感謝しています。また,市の事業や地域貢献の活動にも積極的に参加されている様子がよくわかりました。
- 今後も,リサイクル率向上に向けた施策にしっかりと取り組んでいきます。