ここから本文です。
リービッヒという人が植物は硝酸イオン(チッ素の一種)やカリウムイオンなど無機物を吸収して生長するという無機栄養説を唱え、それまで支配的だった有機栄養説(植物は小さくなった有機物の破片のようなものを吸収して育つ)を否定しました。この説により、現在の化学肥料を使った農業の発達に大きな影響を及ぼしました。
最近では、無機物だけではなく有機物の一種のアミノ酸なども直接摂取できることが分かってきていますが、有機物(有機肥料やぼかし、堆肥など)を施用した場合でも植物が吸収できるのは有機物が微生物に分解されて生じた無機物です。
植物の必須元素は16種認められており(表左)、人の必須元素と共通しているものがたくさんあることがわかります(表右)。人間が植物を食料として、生きてこれたことが納得できます。
チッ素、リン酸、カリは植物の三大栄養素といわれます。チッ素はタンパク質の原料になり、リンはエネルギーを伝達、カリは体の中の水の圧力を調整したり重要な役割があります。
そのため、「肥料を施す」というときは、たいていは、この三栄要素のこといっている場合が多いです。化学肥料の袋には、チッ素○%、リン酸○%、カリ○%というふうに成分表示がなされています。
三栄要素の必要量は、植物は種類により異なりますが、どれか欠けたり、反対に多すぎたりすると、生育がおかしくなったり、枯れてしまいます。
微量要素は、植物の要求量が少ないけれど、必要な栄養素です。普通はもともと土壌にある量で十分です。また堆肥などからも補給されます。プランターや鉢物栽培では水やりで流出てしまうことがあるので注意が必要です。
不足すると植物にいろいろな症状が生じます。鉄が足りなくなると葉の葉脈の間が黄色に変化します(クロロシスといいます)。
有機物(わらやもみ殻、落ち葉、野草、樹の皮、家畜のふん)を原料にして2~3ヶ月、時には1年ぐらい腐熟(分解=コンポスト化)させたものです。
堆肥は、植物に栄養分を与えるほかに、土をふっくら柔らかくしたり、水持ちをよくしたりします。(土づくりの効果)
堆肥は土の中の動物(ミミズなど)や微生物によってゆっくり壊されていきます。チッ素やリンなどが植物が吸収できるかたちまで分解されます。同時に、二酸化炭素が放出されこれがまた植物に取りこまれ、植物の体をつくったり、炭水化物(お米など)として蓄えたりします。チッ素や炭素は土→大気→植物→動物の中をめぐりめぐっています。
植物の活動は太陽エネルギー(光合成)により営まれています。全世界の植物が1年間に蓄えるエネルギーは石油にして600億トンと同じといわれています。(生ごみ堆肥リサイクル、家の光協会より)
お問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
重要なお知らせ
こちらのページも読まれています