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田んぼの学校2016 前谷地小学校

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平成28年度,前谷地小学校5年生15名は,地元農業者の協力のもと,総合的な学習の時間を利用して農業の体験や学習を行っています。

協力機関 前谷地ふるさと保全会広域協定

農業や農村は,食料を供給する役割だけでなく,その生産活動を通じ,国土の保全,水源の涵養,生物多様性の保全,良好な景観の形成,文化の継承など,様々な役割を有しており,その役割による効果は,地域住民を始め国民全体が享受しています。このような農業や農村の持つ多面的機能の維持及び発揮をはかるため,「日本型直接支払制度」が平成27年度に法制化されました。この制度の中の1つに「多面的機能支払交付金事業」が位置づけられています。
多面的機能支払交付金事業は,農業や農村が持つ多面的機能の維持及び発揮につながる地域の活動を支援するものです。活動の例として,水路や農道などの地域資源を安全に保つこと,そうした資源の質を向上させること,農村環境を保全することなどがあります。
「前谷地ふるさと保全会広域協定」は,石巻市前谷地地区でこうした活動に取り組む組織であり,多面的機能支払交付金事業を通じ,関係機関が一体となってこの組織を支援しています。

営農体験(田植え) H28年5月27日

農業の持つ多面的機能についての説明平成28年5月27日,前谷地小学校で5年生15名による田植えが行われました。

初めに,前谷地ふるさと保全会広域協定の農家の方から田植えの説明がありました。

次に,当部から児童のみなさんに,私たちが日々受けている多様な自然の恵み(農業や農村が有する多面的機能)について説明をしました。また,この機能が発揮されるためには地域資源の保全管理が重要であることをPRしました。


説明の後,5年生15名は田植え作業を開始しました。児童のみなさんは,慣れない泥の感触に様々な声を上げながら,一生懸命に田植えを楽しんでいました。


「田植え定規」を転がして稲を植える場所に印をつける様子



手作業で田植えをする児童たち

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農業水利施設見学会・生きもの調査 H28年7月12日

平成28年7月12日,前谷地小学校と「前谷地ふるさと保全会広域協定」は,5年生15名を対象に農業水利施設見学会を実施しました。

見学会の目的は,農業生産基盤を支える農業水利施設の重要性や,農業用水が持つ多面的機能というはたらきを,児童のみなさんに認識してもらうことです。また,生きもの調査は,田んぼに生息する生きものを調査することにより,田んぼが生態系保全に役立っていることを認識し,その機能の重要さを実感してもらう目的の下実施されています。

出前講座

出前講座の様子はじめに,農業水利施設見学での学習効果を高めるため,河南矢本土地改良区が出前講座を行いました。

前谷地地区の水田は旧北上川の水を利用していることや,田の水量を調節する機具である揚水機や排水機のしくみについて説明がありました。

施設見学

続いて,和渕揚水機場と笈入(おいれ)揚水機場を見学しました。

和渕揚水機場

和渕揚水機場の見学最初に,前谷地地区の水田へと水を運んでいる和渕揚水機場を見学しました。

旧北上川から水を汲んでいる「取水口」を見学した後,機場内に設置してある4台の揚水機を見学しました。

揚水機1台の購入に3000万円ほどかかるという説明に,児童たちは驚きの声をあげていました。また,機場内にある様々な設備について,児童たちから質問が飛び交いました。

笈入(おいれ)揚水機場

笈入排水機場の見学次に,前谷地地区の排水を担う笈入揚水機場の見学を行いました。

はじめに,笈入揚水機場に流れ込む水からごみを取り除く「除塵機」を観察しました。河南矢本土地改良区の方が停止中の除塵機を動かし,ごみを取り除く様子を見せながら,「水路や川にごみを捨てないでほしい」との話がありました。

次に機場内に移動し,高さの異なる4台の排水機を見学しました。

生きもの調査

地元農家の方による,魚道についての説明施設見学の後,前谷地地区の田んぼへ移動し,水質調査と生きもの調査を行いました。

実施場所である「魚道(魚の通路)」について,設置した保全会の方から説明がありました。

水質調査

水質調査の様子水質調査では,「COD(水の汚れに関する数値)」と「pH(水の酸やアルカリの度合いを数値で表したもの)」の2項目を調査しました。

河南矢本土地改良区から説明を受けた後,簡単な調査キットを用いて,児童たちがそれぞれ実験を行いました。

調査の結果,CODとpHがともに稲を育てるのに十分な水質であることを確認しました。

生きもの調査

生きもの調査の様子生きもの調査の目的や注意点に関する当事務所からの説明の後,児童たちは生きものの採捕,観察,同定を行いました。

魚道内には,カエル,アメンボ,ドジョウ,ザリガニ,ナマズなどの生きものが生息しており,児童たちは生きものの多様性に興味を示しながら一生懸命採捕に取り組んでいました。

帰校後,児童たちは「大きなザリガニや魚をつかまえることができて楽しかった。」「普段見られないものや体験できないことを見て,体験できたのが楽しかった。」との感想をお話してくれました。

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営農体験(稲刈り) H28年10月20日

10月20日,前谷地小学校で,5月に田植えを行った田んぼで稲刈りが行われました。

児童たちが稲刈りをする様子はじめに,地元農業者から,安全に作業するため稲刈り鎌の使い方について説明がありました。

その後,稲刈り作業に取りかかった児童たちは,最初こそおそるおそる鎌を使っていたものの,徐々にコツをつかんでいきました。作業中には「稲刈り楽しい!」という声も上がりました。

棒がけ作業の様子稲を刈った後は,稲を乾燥させる「棒がけ」という作業を行いました。

児童たちと地元農業者,当部が共同で作業し,田んぼに立てられた杭に稲の束を互い違いに重ねていきました。

この日は強風に吹かれながらの作業となりましたが,怪我もなく無事に稲刈りを終えることができました。最後に,地元農業者から,「この強風のおかげで,稲は早く乾燥するだろう。今年は例年よりも多くの収穫量が期待できる。」とお話がありました。

児童たちは,手作業による田植え体験と稲刈り体験を通じて,農作業の大変さと収穫の喜びを実感したようです。

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お問い合わせ先

東部地方振興事務所 農業農村整備部農村振興班

宮城県石巻市あゆみ野五丁目7番地 宮城県石巻合同庁舎4階

電話番号:0225-95-7922

ファックス番号:0225-96-4880

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