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平成27年8月28日,多面的機能支払交付金に取り組む須江ふるさと保全会,河南矢本土地改良区の21世紀土地改良創造運動と協力し,須江小学校5年生を対象に出前講座,農業水利施設見学会を実施しました。
出前講座は,「農業水利施設の役割について」として,農業水利施設とは何か,その管理にはどのような人が関わっているのか等について授業を行い,普段何気なく目にしている田んぼについて知識を深め,地域農業への関心を深めてもらうためのものです。
また,施設見学会では,須江小学校周辺の田んぼへと供給される水がどこから来るのか,どのような施設が必要なのか,施設の維持管理を行う人たちについてなど,施設を見学することで,地元の農村環境についての理解を深めてもらいます。
最初に、須江ふるさと保全会の会長よりあいさつを頂きました。
東部地方振興事務所農業農村整備部より,農業水利施設が持つ役割について説明を行いました。田んぼと水の関係や,須江地区で使用する農業用水が機械の力で旧北上川から運ばれていること,水路や揚水機などを総称して農業水利施設と呼ぶこと,土地改良区の方が施設の維持管理に携わっていること等について説明しました。
児童のみなさんは質問に対し積極的に挙手するなど,真剣に聴いていました。
出前講座で学習した,田んぼに水を供給するのに必要な農業水利施設の見学を行いました。見学したのは,旧北上川の水をくみ上げている中山揚水機場と,水田からの排水や,町や山から出る雨水等を旧北上川へと送る曽波神(そばのかみ)排水機場です。見学中は河南矢本土地改良区の職員より説明を頂きました。
最初に、中山揚水機場の見学を行いました。
中山揚水機場では,まず旧北上川から水を取り入れるための取水口を見学しました。北上川は全国で5番目に長い河川であることや,岩手県の源流から石巻の河口まで約250kmあることが説明されました。
また,水利権に関しても触れ,河川の水を使うにあたっては国土交通省の許可を得ていることや,水を使う時期以外は取水について制限があること等の説明を受けました。
機場内部では,揚水ポンプを見学しました。4台あるポンプを最大まで稼働させると,学校のプールを40秒で一杯にできる能力があることや,用水管理センターから遠隔操作出来ること,水を必要とする代かきの時期には24時間ポンプを稼働させること,電気で動かしているため,電気代がかかることなどの説明がありました。
曽波神排水機場に向かう途中でほ場整備を実施中の鹿又地区に寄り,ほ場整備によって区画の大きくなった田んぼを見学しました。田んぼや畑を大きくし,作業効率を上げるためにほ場整備事業を実施することや,広い地区で事業を実施する場合は何年かに分けて工事を進めることの説明がありました。
また,農地の地下にパイプを埋め,そこに水を通すことで必要な水を蛇口から供給するパイプラインの仕組みについて触れ,開水路に比べて水量の調整が簡単であることや,時折パイプライン内に空き缶やペットボトルなどが詰まり支障をきたすことについて説明されました。
最後に,曽波神排水機場を見学しました。機場の内部を見学した際にはポンプは停止していましたが,大雨が降るなどして水路の水量が増えた時に運転することや,農業用の排水だけでなく住宅地の雨水も排水していること,ポンプの操作は人の手で行うため,大雨などの場合は夜中でも人が運転していることなどの説明がありました。また,排水用のポンプは高さよりも水量を重視することが多いため,横型となっていること,停電時でも大丈夫な様にエンジンで動くポンプも用意されていることなどの説明もありました。
最後に,機場の外で集合写真を撮りました。
農業水利施設見学の終了後,感想発表をして頂きました。「須江近くの田んぼの水の出入りと土地改良区の仕事が分かってよかった。」「お米を作るためにいろいろな施設が動いていてすごいと思った。お米の大切さが分かった。」などの感想があり,田んぼと水,農業水利施設について理解を深めることが出来たようです。
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