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田んぼの学校2015 前谷地小学校

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平成27年度,前谷地小学校5年生26名は,地元農業者の協力のもと,総合の時間を利用して農業の体験や学習を行っています。協力農業者 只野正広さん 協力機関 前谷地ふるさと保全会広域協定

営農体験(田植え) H27年5月20日

平成27年5月20日,今年も前谷地小学校で5年生26名による田植えが行われました。田植えが行われたのは小学校の裏にある3a(アール)ほどの田んぼです。

只野さんの説明を受ける児童たちの様子まずはじめに,毎年お世話になっている地元農業者の只野さんから田植えの手順や注意点が説明されました。

只野さんから,苗を植える場所を決める道具の田植え定規について,玉転がしのイメージでに前に転がすこと,田植え定規を真っ直ぐに進めるために,両端に加える力を均等にすることなど,使い方の説明がありました。
また,田植え作業について,田植え定規でつけた十字線の交差するところに植えることや,稲は生長して分けつする(茎数が増える)ので,一箇所に植える苗は2~3本でよいことなどの説明がありました。

只野さんの説明後,5年生26名は田んぼに入り,田植え定規による作業を開始しました。

田んぼに裸足で入った際の泥の感触に児童たちは大はしゃぎでした。田植え定規は2~3人で転がしたため,時々まっすぐに進まずに曲がってしまうこともありましたが,児童たちはそのたびにまっすぐに進むように息をあわせていました。
田植え定規を転がす児童たちの様子1田植え定規を転がす児童たちの様子2

田植え定規による作業が終わると,いよいよ田植えが始まりました。

田植え作業が始まる頃にはもう泥の感触も気にならない様子で,田植え定規で付けた跡を消さないように田んぼを進みながら,一生懸命に苗を植えていきました。作業が終わる頃にはすっかり泥だらけになった児童もいました。

今年植えられたのはササニシキとひとめぼれの2種類で,それぞれの違いが分かるように少しずつ離れた場所に植えられました。
田植え作業をする児童たちの様子1田植え作業をする児童たちの様子2

田植え作業終了後,只野さんから稲と水の関係や,田んぼにいる生きものについてのお話を受け,最後に田んぼに水を入れて作業を終了しました。田植え定規を使った昔ながらの田植えを体験することで当時の人の知恵と工夫を知り,手で行う農作業の大変さを実感できたようです。
田植え後,田んぼに水が張られた様子田植えの最後にあいさつをする児童たちの様子

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水質調査・生きもの調査 H27年6月30日

平成27年6月30日,前谷地小学校5年生によって,学校近くの田んぼの水質調査・生きもの調査が行われました。

この活動は,田んぼで使われている水の状態や,田んぼで稲を育てることによって生きものが生活する環境が作られていることなど体験を通じて学んでもらうため,地元で多面的機能支払交付金事業に取り組む「前谷地ふるさと保全会広域協定」が前谷地小学校5年生を対象に実施しており,石巻市や河南矢本土地改良区,当事務所が協力しています。

水質調査

保全会長のあいさつ前谷地ふるさと保全会広域協定の会長さんからあいさつの後,田んぼに使われている水の水質調査を行いました。

今回は,水の汚れをおおまかに示すCODの値と,水の酸性・アルカリ性の状態を示すpHの値を調査しました。

COD(化学的酸素要求量)とは,薬品によって水中の汚れを分解した時に消費された酸素の量を数値にしたものであり,数値が高いほど汚れが多く,酸素が少なく生きものにとって住みにくい水であることを表します。pHは,水の酸性・アルカリ性への傾きを示すものであり,数字が7から小さくなるほど酸性に,7から大きくなるほどにアルカリ性になっていることを表します。

田んぼで使われた排水を調査した結果,CODの値は6~8程度で用水源である旧北上川と同程度であり,pHは7と中性でした。
水質調査の様子パックテストにより水質調査を行う様子

生きもの調査

水質調査後,田んぼの周りに住んでいる生きものの調査を行いました。

最初に生きものの扱い方について説明し,生きもの調査が開始しました。児童たちは,田んぼの横にある小排水路で生きものを採捕しました。また,前谷地ふるさと保全会広域協定の方達でやや大きな排水路も調査し,生きものを採捕しました。

生きものの採捕後,同定作業を行いました。採捕された生きものは以下のとおりです。

種類 生きものの名前
魚類 コイ,タモロコ,モツゴ,ドジョウ,カラドジョウ
水生昆虫 マツモムシ
カエル ニホンアマガエル
その他 アメリカザリガニ
採捕された生きものの表

同定作業の後,自分たちで採捕した生きものを観察し,生きもの調査を終了しました。
生きもの調査の様子捕まえた生きものを観察する児童たち

生きもの調査後,児童たちから感想発表がありました。「田んぼや水路に色々な生きものがいると分かってよかった」や,「初めて見る生きものが多く,観察できてよかった」などの感想をいただきました。

最後に,前谷地ふるさと保全会広域協定の副会長さんからあいさつがあり,水質調査・生きもの調査を完了しました。

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農業水利施設見学会 H27年7月10日

平成27年7月10日,前谷地小学校5年生を対象とした農業水利施設見学会が実施されました。

この活動は,田んぼに来る水がどこからどのようにして流れて来ているのか,どこへ流れて行くのか,田んぼに水が来るまでにどのようなことが起こっているのかなど,農業と水の係わり方についてを学んでもらうため,地元で多面的機能支払交付金事業に取り組む「前谷地ふるさと保全会広域協定」や河南矢本土地改良区,当事務所が協力して実施しているものです。

出前講座

前谷地ふるさと保全会長さんからのあいさつの後,当事務所から農業と水の関係性や田んぼの水の出入り,農業水利施設の役割と前谷地周辺の農業水利施設,農業水利施設の管理者等についての講座を行いました。
保全会長のあいさつ東部地方振興事務所農業農村整備部による出前講座

農業水利施設見学

出前講座の終了後,河南矢本土地改良区の案内で,前谷地周辺の田んぼの用水と排水に関する農業水利施設の見学を行いました。今回見学したのは,旧北上川から取水している和渕揚水機場,和渕揚水機場から送られた水を更に遠くへ届ける役割を持つ前谷地揚水機場,前谷地周辺の農業排水や都市部の雨水等を排水する施設である笈入(おいれ)揚水機場の3箇所です。各施設について,河南矢本土地改良区の方から解説がありました。

和渕揚水機場

和渕揚水機場の取水口を見学始めに,旧北上川に隣接し,直接川から取水している和渕揚水機場を見学しました。

旧北上川から水を取り込む取水口を見学し,川のゴミを取り込まないように設置されたスクリーンを確認した後,川の水を使う場合は国に許可を得る必要があり,和渕揚水機場では田植えから稲刈り頃まで水を使っても良いという許可を得ていることなどについて簡単な説明を受けました。

次に,機場内に設置されているポンプを見学しました。4台あるポンプのうち3台が稼働中であり,必要な水の量に応じて動かすポンプの数を決めることや,集中管理センターという場所から遠隔操作できること,田植えの時期には,平均的なプールを1~2分で一杯にできる能力を持つポンプを1日中稼働させるほどの水が使われることなどの説明がありました。

笈入(おいれ)揚水機場

笈入揚水機場を見学2箇所目に,前谷地周辺の排水を担う笈入揚水機場を見学しました。

機場内に設置されたポンプを確認し,和渕揚水機場の縦型ポンプと違って横型であり,縦型よりも動かせる水量が多く,平均的なプールを30秒ほどで空にできる能力があること,都市部の雨水等の排水も行うために冬でも稼働させていることなどの説明を受けました。

出発前に排水路のスクリーンにたまったゴミを見せ,水路にゴミを捨てない様にとのお願いがありました。

前谷地揚水機場

前谷地揚水機場で記念撮影最後に,前谷地小学校に一番近い前谷地揚水機場を見学しました。

和渕揚水機場からの水が流れている三郡幹線用水路を見学し,旧北上川と接している和渕揚水機場とは違い,他の揚水機場から来た水を再び機械の力で持ち上げていることを確認しました。
その後,機場内を見学し,ポンプ自体は和渕揚水機場と同じく縦型であることを確認しました。
最後に,前谷地揚水機場の特徴である三方分水口を見学しました。前谷地の周辺では3つの地区で水についての争いが絶えなかったため,揚水機場を作る際にそれぞれの地区が使う水の量に応じて円を3分割し,水が平等に行き渡る工夫がされたことについて説明がありました。

見学を終えた後,記念撮影を行いました。

見学後,学校に戻って感想発表を行いました。「いろいろな施設が見られてよかった」や「水路にゴミを捨てない様にしようと思った」など,田んぼと水,農業水利施設について理解を深めることが出来たようです。

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お問い合わせ先

東部地方振興事務所 農業農村整備部農村振興班

宮城県石巻市あゆみ野五丁目7番地 宮城県石巻合同庁舎4階

電話番号:0225-95-7922

ファックス番号:0225-96-4880

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