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田んぼの学校2014 前谷地小学校

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平成26年度,前谷地小学校5年生20名は,地元農業者の協力のもと,総合的な学習の時間を利用して農業の体験や学習を行っています。協力農業者 只野正広さん

営農体験(田植え) H26年5月29日

地元農家の只野さんから説明を受ける児童たち平成26年5月29日,今年も前谷地小学校で5年生19名による田植えが行われました。田植えが行われたのは小学校の裏にある3畝ほどの田んぼです。まずはじめに,毎年お世話になっている地元農業者の只野さんから田植えの手順や注意点が説明されました。

只野さんから,苗を植える場所を決める道具の田植え定規について,下向きに力を加えると埋まってしまうので,玉転がしのイメージでに前に転がすこと,田植え定規を真っ直ぐに進めるために,両端に加える力を均等にすること。
田植えについて,田植え定規でつけた十字線の交差するところに植えることや,稲は生長して分けつ(茎数が増える)ので一箇所に植える苗は2~3本でよいこと,浅く植えると水に流されたり浮いたりしてしまうのでしっかり植えることなどの説明がありました。

田植え定規を転がす児童たち只野さんの説明後,5年生19名は田んぼに入り,田植え定規による作業を開始しました。

今年度は雨の関係で代かきに参加しておらず,初めて裸足で入った泥の感触に児童たちは大はしゃぎでした。田植え定規は2人で転がしたため,初めはなかなかまっすぐに進まず苦戦していましたが,だんだんとまっすぐ転がせる様になっていました。

田植えをする児童たち田植え定規による作業が終わると,いよいよ田植えが始まりました。

田植え作業が初経験の児童がほとんどのようで,たどたどしい手つきで始まった田植えでしたが,作業が進む内にスムーズに苗を植えられるようになっていました。田植え作業が始まる頃には泥の感触もあまり気にならない様でした。

植えられた苗はみやこがね(もち米),ササニシキ,ひとめぼれの三種類で,それぞれの違いが分かるように少しずつ離れた場所に植えられました。

田植えが終わり,最後に田んぼに水を張って作業終了となりました。田植え定規を使った昔ながらの田植えを体験することで当時の人の知恵と工夫を知り,手で行う農作業の大変さを実感できたようです。
今後は,「田んぼの学校」として、生きもの調査や土地改良施設の見学,田んぼの授業などを実施する予定です。

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水質調査と生きもの調査 H26年7月15日

7月15日,前谷地小学校近くにある田んぼで,水質調査と生きもの調査が行われました。

水質調査と生きもの調査は,田んぼにいる生きものを調べたり,地元のお米がどのような水で作られているのかを知ることで地域の農業に関心を持ってもらうことを目的としています。今年は前谷地ふるさと保全会,河南矢本土地改良区,石巻市河南総合支所のみなさんと協力して実施しました。場所は昨年と同じ,前谷地字筒頭内の田んぼで行われました。

この田んぼには前谷地ふるさと保全会で設置した水田魚道があり,生きものが住みやすい環境になっています。

水質調査

水質調査の様子始めに水質調査を行いました。検査項目はCOD,pHの二つです。

CODは水中に含まれる汚れを大まかに数値化したもので,CODの数値が高いほど水中に酸素を消費する物質が多くなります。つまり,CODの数値が高いと水中の酸素が少なくなり魚が住めなくなります。pHは,酸性,アルカリ性の程度を表すものです。pHの値が7程度で中性,7より値が高くなるとアルカリ性,7より低くなると酸性の性質が強くなります。

水質調査は,田んぼに供給されている用水で行いました。調査の結果,CODは概ね6~8,pHは6.5~7程度でした。CODの数値は源流の北上川と同程度、pHは中性で,どちらも稲を育てるには十分な水質であるとのことでした。

生きもの調査

東部地方振興事務所農業農村整備部による生きもの調査の説明水質調査の後,生きもの調査を行いました。

田んぼの生きものが記載された下敷きを配布し,生きものの扱い方について説明しました。


説明終了後,さっそく生きもの調査が始まりました。児童は網を持って元気に動き回り,水路の端から端まで生きものを探していました。
生きもの調査の様子1生きもの調査の様子2

生きもの採取後,観察,同定を行いました。採取した生きものは次のとおりです。

採取した生きもの
種類 生きものの名前
魚類 コイ,フナ類,タモロコ,ドジョウ,カラドジョウ,アブラハヤ,ナマズ
水生昆虫 アメンボ
カエル ニホンアマガエル,ニホンアカガエル
その他 アメリカザリガニ

生きもの調査後,代表の児童から感想を頂きました。

「たくさん生きものがとれて良かった。」「ナマズやドジョウが田んぼにいて驚いた。」といった感想が聞かれ,非常に楽しんで調査をしていたようでした。

感想発表後,前谷地ふるさと保全会副会長さんからあいさつを頂きました。最後に,調査した水路周辺で記念撮影を行い終了しました。
代表児童が感想を発表する様子調査した水路周辺で記念撮影

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農業水利施設見学会 H26年8月27日

前谷地ふるさと保全会,河南矢本土地改良区のみなさんと協力し,農業水利施設見学会を実施しました。水稲を育てるために必要な水はどうやって田んぼに来るのか,どのような人が施設管理に関わっているのか等について,出前講座,施設見学を通じて学習し,児童の皆さんに農業生産基盤を支える農業水利施設の重要性を認識して頂き,地域農業への関心を深めてもらうことを目的として実施されたものです。今年で9回目の開催となりました。

出前講座

東部地方振興事務所農業農村整備部による出前講座出前講座はパワーポイントを使用して行いました。

東部地方振興事務所から,田んぼと水の関係,前谷地地区周辺の田んぼの水の流れ,農業水利施設の意味とその役割,それを管理する土地改良区の役割について等の説明を行いました。

施設見学

出前講座で学習した,田んぼに水を供給するのに必要な農業水利施設の見学を行いました。見学したのは,水田からの排水を行う笈入(おいれ)揚水機場,前谷地小学校で田植えを行った水田へと水を運んでいる和渕揚水機場,前谷地揚水機場,これらの施設をコンピュータで制御する集中管理センターです。見学中は河南矢本土地改良区職員より説明を頂きました。

笈入(おいれ)揚水機場

笈入揚水機場のポンプを見学最初に,笈入揚水機場の見学を行いました。

笈入揚水機場では,除塵機(水をくみ上げる際にゴミを取り除く機械)について説明が行われた後,除塵機によって取り除かれたゴミを処理するために処理費がかかっていることや,川にゴミが流されると,最後に機場でゴミが集まって問題になることの説明がありました。

機場の内部では,揚排兼用のポンプが排水のために運転中でした。ポンプの仕組みとして,モーターが羽根を回転させることで水を動かす原理であることや,排水のためのポンプは量を流すために横型であることなどの説明がありました。

集中管理センター

集中管理センターにあるパソコンを見学笈入揚水機場の見学の後,すぐ隣にある河南矢本土地改良区事務所内の集中管理センターに移動しました。

集中管理センターでは,コンピュータを使用して河南矢本土地改良区管内にある揚排水機場を遠隔で操作できるとの説明があり,実際に操作を行うパソコンを見学しました。また,揚水を使用する約4ヶ月の間24時間体制でシステムの管理を行っているほか,絶えず現地の見回りを行うといった作業についての説明がありました。

和渕揚水機場

和渕揚水機場の取水口を見学次に,和渕揚水機場を見学しました。和渕揚水機場では旧北上川から取水しており,始めに取水口を見学しました。取水口ではゴミを取り除くためのスクリーンが設置されていました。右の写真は,取水口及びスクリーンを見学する様子です。

次に,機場の内部を見学しました。内部ではポンプが稼働しており,縦型のポンプによって旧北上川の水面よりずっと高い用水路まで水を持ち上げるポンプの力について説明がありました。

前谷地揚水機場 円筒分水工

前谷地揚水機場で記念撮影最後,前谷地揚水機場の円筒分水工の見学を行いました。

始めに機場の内部でポンプの様子を見学した後,三方分水を行う円筒分水工を見学しました。
円筒分水工では、前谷地揚水機場でくみ上げた水を3つの地区に分配していることや,昔に起こった水争いを解決するために三方分水の仕組みを導入した歴史などの説明がありました。下から噴き上げる水の様子に児童のみなさんは興味を示していました。

説明後、分水工にて記念撮影を行いました。

農業水利施設見学の終了後,感想発表をして頂きました。「三方分水がとても印象に残った。」「川のゴミが機場に流れていくと知って,川にゴミを流さないようにしようと改めて思った。」などの感想があり,田んぼと水,農業水利施設について理解を深めることが出来たようです。

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営農体験(稲刈り) H26年10月24日

10月24日,実りの秋を迎えた前谷地小学校で,5月に田植えを行った田んぼでの稲刈りが行われました。

地元農家の只野さんから説明を受ける児童たち始めに,地元農業者の只野さんから稲刈り鎌の使い方について説明がありました。

稲刈り鎌の刃は稲を刈りやすいようギザギザして,ケガをしたときに傷が深くなるのでケガには十分注意して扱うこと,周りの人にケガをさせないように少し間を空けて作業をすることなどの作業の安全についての説明がありました。

また,刈った後の稲は根元をそろえて束ねること,およそ10株を目安に一束にすることの説明がされました。

稲刈り作業をする児童たち只野さんから説明があった後,稲刈り作業が始まりました。

もち米,ササニシキ,ひとめぼれの3つの品種をそれぞれ分けて植えたので,刈る際もそれぞれ混ざらないように分けて稲刈りを行いました。

児童たちは横一列に並び,手際よく稲を刈っていたため,稲刈り作業はあっという間に終わりました。

もち米の刈り取りが終わると,束にした稲を干して乾かすため,只野さんによって刈った後の田んぼに杭が立てられました。只野さんから,乾かすために田んぼに杭を立てて稲束を干すことや,効率よく乾かすために,稲穂が重ならないように互い違いに重ねていく棒がけの方法についてが説明されました。

杭を数本立て終え,いよいよ棒がけ作業の始まりです。

杭に稲の束を重ねていく児童たち

もち米の棒がけが終わり,ササニシキ・ひとめぼれの稲刈り,棒がけも順に行われました。

稲刈り作業後の記念写真作業が終わって,只野さんからのあいさつの後,集合写真を撮影して稲刈り作業は終了しました。

手作業で行う稲刈りは貴重な体験であり,児童たちは農作業の大変さや収穫の喜びを体験出来たようです。

稲は1週間ほど乾燥された後,脱穀作業を行う予定です。

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お問い合わせ先

東部地方振興事務所 農業農村整備部農村振興班

宮城県石巻市あゆみ野五丁目7番地 宮城県石巻合同庁舎4階

電話番号:0225-95-7922

ファックス番号:0225-96-4880

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