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田んぼの学校2014 北上小学校

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平成26年度,北上小学校3年生17名は田植えや生きもの調査,土地改良施設の見学など,総合的な学習の時間を利用し,年間を通して農業の体験や学習を行っています。

講師 田んぼ:三塚先生(ナマズのがっこう)
生きもの:向井先生(東北大学)
地元協力農業者 武山さん,門間さん

H26年10月1日 営農体験(稲刈り)・生きもの調査

稲刈りを行う田んぼ平成26年10月1日,北上小学校で3年生17名による稲刈りが行われました。

稲刈りが行われたのは小学校から少し離れた場所にある,武山さんからお借りしている3畝ほどの田んぼです。

まずはじめに,毎年お世話になっているナマズのがっこうの三塚先生から稲についての授業が行われました。

実った稲を観察して

稲についての授業を行う三塚先生三塚先生はまず稲を一株刈り取って,籾(米が中に入っている)の付いた茎を一本ずつ児童に配りました。

「一本の茎には何粒の米(籾)が付いているでしょうか?」と三塚先生が問題を出すと,児童たちは配られた茎を手に一生懸命粒の数を数え始めました。児童が数え終わった頃,三塚先生から,同じ株の茎でも一本一本粒の数が違うこと,それは,茎が生まれた時期の違いに関係しているとの説明がありました。稲は分げつといって,育つうちに茎の数が増えていきます。一番最初からあった茎が一番多くの粒を付け,一番最後に出てきた茎の粒が一番少なくなることも説明されました。

次に,三塚先生から「一株の稲には茎は何本あるでしょうか?」と問題が出されました。児童たちは田んぼに入り,やはり一生懸命に茎を数えました。いくつかの株を調べた結果,どの株もおおよそ茎は30本ほどでした。5月に田植えをした際は一株に5本ほどしかなかったので,約6倍に増えていることが分かりました。三塚先生から,分げつによって茎は田植えから中干しを行う頃までの間に生まれることや,日数にして70日ほどで6倍に茎を増やす稲の生命力についての説明もされました。

稲刈り作業

稲刈りの仕方を説明する地元農家の門間さん稲の観察が終わると,いよいよ稲刈り作業です。

地元農業者の門間さんから稲刈り作業にあたっての注意として,稲刈り鎌の刃はギザギザとしていてケガをすると傷が深くなりやすいので注意すること,ギザギザのおかげで稲が刈りやすいので,何度も刃を往復させずに茎をつかんだ手と地面の間を斜め下に向けて手前に引き抜くようにするとケガをしないことなどについてお話がありました。

刈った稲はある程度の束にして方向をそろえてまとめることについて説明がされた後,稲刈りが始まりました

先生と児童たちが稲刈り作業をする様子児童たちは元気いっぱいといった様子で稲刈りをしていました。児童たちが稲刈りに集中しすぎたせいか,刈った稲は先生たちが束ねていました。

また,バインダー(刈取結束機)で稲を刈る三塚先生の様子に興味津々の児童も見られました。

棒がけ作業

棒がけ作業の様子児童たちが田んぼの半分ほどを刈り終えたところで,刈り終えた部分に武山さんたちによって木の杭が立てられました。

この杭は,刈った稲の束をかけて天日に干すために立てられるものです。最近では機械化が進んでカントリーエレベーターという乾燥と貯蔵を行う施設に籾が運ばれることが多くなり,あまり見られなくなった光景です。

武山さんたちが稲の束を杭にかけ始めると,児童たちは稲の束を杭の近くまで運び始めました。門間さんから,稲の束をかける時は,風通しが良くなるように稲穂(籾が付いている)部分が重ならないように交互に重ねていくこと,重ね終わった杭は,稲の束が落ちないように一番上の稲の束の重ね方を変えるなど,昔からの知恵についてお話がありました。

棒がけ作業が一段落した後,最後の作業として刈り残しや落ちている稲穂を拾い集めました。

生きもの調査

棒がけ作業が終わると,稲刈り作業は終了です。次に稲刈り後の田んぼの生きもの調査が始まりました。

稲刈り後の田んぼにも生きものはたくさんいて,刈り跡から現れたカエルやイモリといった両生類や,立てた杭に止まっていたトンボ,コオロギやイナゴなどの昆虫が採捕されました。

カエルの生活を説明する向井先生ある程度採捕が終わると,東北大学の向井先生から生きものの説明が行われました。

採捕されたカエルは,足の指に吸盤があって体色が変わるニホンアマガエル,背中に2本の線があるニホンアカガエル,背中に特徴的なイボがあるトウキョウダルマガエルの3種類でした。

そして,どのカエルも田植え時期に産卵し,稲刈り頃にカエルの姿に成長し,冬は冬眠をして過ごし,春に目覚めて田植え時期に卵を産み,田んぼの年間サイクルに合わせた生活をしていることが紹介されました。

アキアカネ(トンボ)同じく,採捕されたトンボのアキアカネも田んぼの年間サイクルに合わせた生き方をしており,稲刈り後の田んぼに産卵し,来春の水張り時期にヤゴとして孵化,中干しの直前に羽化してトンボの姿になります。

その後,暑さに弱いアキアカネは標高1000mまで昇って避暑し,秋に田んぼに戻ってくることが向井先生から伝えられました。

向井先生により,田んぼと生きものの生活サイクルには強い関わりがあることが児童たちに説明され,最後に記念写真を撮影して全作業が終了しました。
記念撮影

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