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5月に入り田植えの季節がやってきました。前谷地小学校では,今年も約3畝の田んぼで手作業で田植えを行いました。
最初に,地元農家の只野さんより田植え定規の使い方,田植えの際の注意点等の説明がありました。
田植え定規は,下方向に力を入れ過ぎると地面に埋まり動かなくなってしまうため横方向に力を加えること,また,田植え定規を真っ直ぐ転がすために両端を同じぐらいの強さで転がすこと。
田植えは,田植え定規で付けた線の交差する箇所に稲を植えること。
また,稲は田植え後に分けつして茎が増えていくため,一箇所に植える本数は2~3本で十分であること、そして,稲を植える深さが浅すぎると水に流されたり浮いたりしてしまうため,しっかりと地面に挿すこと等の説明がされました。
説明後,実際に田んぼに入り田植え作業を行いました。品種はもち米,ササニシキ,ひとめぼれです。品種の違いがわかるように,植えた品種の境目には一株分のスペースを空けて植えました。また,収穫後に餅を作るためにもち米を一番多く植えました。
最初,児童は裸足で田んぼに入ったときのぬるぬるした泥の感触に大騒ぎでした。
田植え定規は2人一組で転がしましたが,均等に力を加えるのは難しく,真っ直ぐ転がすのに苦労していました。
田植えは初めての児童が多く,最初は時間をかけて作業をしていましたが,次第に慣れてきたようで後半はスムーズに田植えを行っていました。
「苗くださ~い。」と積極的に田植えをする姿が見られ次々と苗が植えられていきました。
児童からは「田植えは難しいけど楽しい。」という感想が多く聞かれました。
最後に,田んぼに水を入れて終了しました。
田植え定規で線引きした所に稲を植えるという昔の農作業の工夫を知ると同時に,田植えを手作業で行う苦労を実感することができたようです。次回は,田んぼの授業と土地改良施設見学を実施する予定です。
田んぼの中干しの時期を前に,前谷地小学校近くの田んぼで生きもの調査・水質調査を行いました。
これらの調査の目的は,身近な田んぼにどのような生きものがいるのか,地元のお米がどのような水質のもとで作られているのか学習することで,地元の農村環境について理解を深めてもらうことです。今回の調査は前谷地ふるさと保全会,河南矢本土地改良区のみなさんと協力し実施しました。場所は,昨年に引き続き,前谷地字筒頭にある前谷地ふるさと保全会で設置した水田魚道付近の田んぼ脇の水路です。
検査項目はCOD,pHの二つです。
CODは,水中に含まれる汚れを大まかに数値化したもので,CODの数値が高いほど水中に酸素を消費する物質が多くなります。つまり,CODの数値が高いと水中の酸素が少なくなり魚が住めなくなります。
phは,酸性~アルカリ性の程度を表すものです。phの値が7程度で中性,7より値が高くなるとアルカリ性,7より低くなると酸性の性質が強くなります。
水質調査は,揚水と排水に分けて行いました。調査の結果,CODは概ね4~7でやや汚れている,pHは7程度で中性という結果になりました。CODの評価はやや汚れているとなりましたが,稲を育てるには十分な水質であるとのことでした。
水質調査の後は生きもの調査を行いました。初めに,生きもの図鑑(下敷き)を配布し,生きものの採取の仕方について説明しました。説明終了後,生きもの調査を開始しました。児童は持参した網とかごを持ち,時間いっぱい動き回って生きもの採取をしていました。
生きもの採取後,観察と同定を行いました。採取した生きものは次のとおりです。
種類 | 生きものの名前 |
---|---|
魚類 | タモロコ、モツゴ、フナ、ドジョウ、シマドジョウ、 カラドジョウ |
水生昆虫 | クロゲンゴロウ |
カエル | ニホンアマガエル、トノサマガエル、ヤマアカガエル、 ニホンアカガエル |
その他 | アメリカザリガニ |
生きものの同定後,児童のみなさんから感想を頂きました。
「身近な田んぼにいろいろな生きものがいることがわかってよかった。」「たくさん生きものが取れて楽しかった。またやりたい。」「もっとほかの場所も調べてみたい。」といった感想がきかれ,非常に楽しんで調査をしていたようでした。
感想発表後,前谷地ふるさと保全会副会長さんからあいさつをいただきました。あいさつでは,田んぼと水路を魚が行き来できるように水田魚道を設置していることも教わりました。
最後に,調査した水路周辺で記念撮影を行い終了しました。
前谷地ふるさと保全会,河南矢本土地改良区のみなさんと協力し土地改良施設見学会を実施しました。土地改良施設見学会は,水稲を育てるために必要なたくさんの水がどこからどうように流れてくるのか,適正に管理するためにはどのような人が関わっているのか等について,授業と土地改良施設見学を通じて学習し,農業生産基盤を支える土地改良施設の重要性を認識していただくとともに,地域農業への関心を深めてもらうためのものです。今年で7回目の開催となりました。
授業はパワーポイントを使って説明しました。
最初に,前谷地ふるさと保全会長から,昔と今の農作業の違いについて説明していただきました。
昔は,手作業又は牛や馬を使って農作業を行っていたが,今は機械を使って農作業を行っていることを学習しました。
次に,東部地方振興事務所農業農村整備部から,昔と今の田んぼの違い,田んぼと水の関係,前谷地地区周辺の田んぼの水の流れ,農業水利施設の持つ役割,土地改良区の役割について説明を行いました。
児童は、問題を出した際に積極的に発言するなど、進んで授業に臨んでいる様子が伺えました。
授業の後は,授業で学習した田んぼに水を供給するのに必要な土地改良施設の見学を行いました。この日見学したのは,前谷地小学校から1kmほどのところにある前谷地揚水機場,根方揚水機場です。土地改良施設見学は河南矢本土地改良区より説明して頂きました。
最初に,前谷地揚水機場の見学を行いました。安全に配慮し機場の外からの見学となりました。
前谷地揚水機場では,和渕揚水機場で旧北上川から取水し,水路を通って運ばれてきた水を再度ポンプを使用して引き上げていること,1秒間にドラム缶20本分の水をくみ上げることなどを学習しました。
次に,前谷地揚水機場近くの三方分水の見学を行いました。三方分水では,前谷地揚水機場でくみ上げた水を3つの地区に分配していることなどを学びました。児童のみなさんは勢いよくあふれる水に驚いていました。
説明後,三方分水にて記念撮影を行いました。
最後に前谷地揚水機場から200mほどの距離にある根方揚水機場の見学を行いました。
根方揚水機場では,機場の中に入り実際に稼働しているポンプの見学も行いました。
児童たちは,初めて見る機場内のポンプに驚きながらも,説明に真剣に耳を傾けていました。
土地改良施設見学の終了後,感想発表をしていただきました。「稲を育てるには水が大事だということがわかった。」「田んぼの水の流れがわかってよかった。」「雨の多い日には水の量を調整していることがわかった。」など田んぼと水,土地改良施設について理解を深られたようでした。
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