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平成25年8月30日,須江ふるさと保全会は須江小学校にて,5年生を対象に出前講座,生きもの調査を実施しました。
出前講座は,「田んぼの昔と今」として,昔と今で田んぼがどう変わってきたのか,また,それは何故なのかを,「農業水利施設の役割について」として,農業水利施設とは何か,その管理にはどのような人が関わっているのか等について授業を行い,普段何気なく目にしている田んぼについて知識を深め,地域農業への関心を深めてもらうためのものです。
また,生きもの調査では,須江小学校周辺の田んぼで作られているお米がどのような水質のもとで作られているのか,そして,どのような生きものが住んでいるのか児童自身で調査することで,地元の農村環境についての理解を深めてもらいます。
最初に,須江ふるさと保全会の坂下会長から「今日の出前講座で,一人でも多くの子が農業に興味を示してくれたらうれしいです」とのあいさつを頂きました。
坂下会長から田んぼの「昔」と「今」についての講座がありました。
昔は,牛や馬を使ったりまた手作業で農作業を行っていたこと,今は,田植え機やコンバインなど機械を使って農作業をしていることを学びました。
また,機械を使うようになり,田んぼの大きさを大きくしていった経緯や,水路の整備が必要になったことなどのお話もありました。
時折児童に質問を投げかけるなど,児童の興味を引く楽しい授業をして頂きました。
田んぼの「昔」と「今」の次は,東部地方振興事務所農業農村整備部より,農業水利施設が持つ役割について話しました。田んぼと水の関係や,水は機械の力で旧北上川から運んでいること,機械のある場所を農業水利施設と呼ぶこと,土地改良区の方が施設の維持管理に携わっていること等について説明しました。
児童のみなさんは質問に対し積極的に発言するなど,真剣に授業を聴いていました。
生きもの調査は須江小学校近くの田んぼ脇の水路で行いました。最初に水質調査を行い,その後,生きもの調査を行いました。
調査した項目はCOD,pHの二つです。
CODは,水中に含まれる汚れを大まかに数値化したもので,CODの数値が高いほど水中に酸素を消費する物質が多いことを示します。つまり、CODの数値が高いと水中の酸素が少なくなり,魚が住みにくい水であることを表します。
pHは,酸性~アルカリ性の程度を表すものです。pHの値が7程度で中性,7より値が高くなるとアルカリ性,7より低くなると酸性の性質が強くなります。
水質調査は,用水路の水と,比較用に水道水の水を使用して行いました。調査の結果,用水路のCODは概ね6~8,pHは7程度で中性という結果になりました。CODの数値は源流である旧北上川の水は6~7であり,COD,pHともに稲を育てるには十分な水質であるとのことでした。
水質調査の後,生きもの調査を行いました。生きものの採取の仕方について説明しました後、生きもの調査を開始しました。児童のみなさんは,網を持つとすぐに水路に入り出し,生きものの採取に夢中になっていました。元気いっぱいに生きものを探し,泥だらけになっても気にせずに生きもの調査を行っていました。
生きもの採取後,観察と同定を行いました。採取した生きものは次のとおりです。
種類 | 生きものの名前 |
---|---|
魚類 | ギンブナ,コイ等 |
その他 | アメリカザリガニ,ヌマエビ |
今年は朝からの雨で水路に水が多く,土水路で調査したこともあってたくさんの生きものが確認できました。種類こそ少ないものの,多くのコイやギンブナ等がおり,その大きさに児童たちは大はしゃぎでした。同定の際には,自分が捕まえた魚の大きさを比べあう様子も見られました。終始笑顔で生きものを採捕していた様子から,非常に楽しんで生きもの調査を行っていたようです。
調査した水路周辺で記念写真を撮影をしたあと学校に戻り,保全会副会長さんの挨拶で閉会しました。
児童からは「田んぼの水や生きものについて分かって良かった」「生きもの調査をやってみて,とても楽しかった」などの感想がありました。
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