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平成25年6月27日,北村小学校にて,5年生を対象に出前講座と生きもの調査を実施しました。
出前講座は,田んぼや農作業が「昔」と「今」でどう変わってきたのか,稲を育てるために必要なたくさんの水はどこからどのように流れて来ているのか,農業水利施設を適正に管理するためにどのような人が関わっているのか等について,授業を通じて学習し,農業生産基盤を支える土地改良施設の重要性を認識してもらい,地域農業への関心も深めてもらうためのものです。
また,生きもの調査では,北村小学校周辺の田んぼで作られているお米がどのような水質のもとで作られているのか,そして,どのような生きものが住んでいるのか児童自身で調査することで,地元の農村環境についての理解を深めてもらいます。
最初に,北村ふるさと保全会の菅原会長から「今日の授業や生きもの調査を大いに楽しみ,北村の自然と触れ合って頂きたい。」とのあいさつを頂きました。
北村ふるさと保全会の勝又さんから田んぼの「昔」と「今」についての講座がありました。
昔は,牛や馬を使ったりまた手作業で農作業を行っていたが,今は田植え機やコンバインなど機械を使って農作業をしていることを学びました。
冗談を交えて児童の興味を引く楽しい授業をして頂きました。
田んぼの「昔」と「今」の次は,東部地方振興事務所農業農村整備部から,農業水利施設が持つ役割について話しました。
田んぼと水の関係,田んぼの水はどこからどのように来るのか,農業水利施設の役割,どのような人が施設の維持管理に携わっているのか等について説明しました。
児童のみなさんはメモをとるなど,真剣に授業を聴いてくれました。
生きもの調査は北村小学校近くの田んぼ脇の水路で行いました。最初に,河南矢本土地改良区による水質調査を行い,その後,生きもの調査を行いました。
調査した項目はCOD,pHの二つです。
CODは,水中に含まれる汚れを大まかに数値化したもので,CODの数値が高いほど水中に酸素を消費する物質が多いことを示します。つまり,CODの数値が高いと水中の酸素が少なくなり,魚が住みにくい水であることを表します。
pHは,酸性~アルカリ性の程度を表すものです。pHの値が7程度で中性,7より値が高くなるとアルカリ性,7より低くなると酸性の性質が強くなります。
水質調査は,用水路の水を使用して行いました。調査の結果,CODは概ね6~8,pHは7.5程度でわずかにアルカリ寄りの中性という結果になりました。CODの数値は源流である旧北上川の水は6~7であり,稲を育てるには十分な水質であるとのことでした。
水質調査の後,生きもの調査を行いました。初めに,生きもの図鑑(下敷き)を配布し,生きものの採取の仕方について説明しました。説明終了後,生きもの調査を開始しました。児童のみなさんは,生きものの採取に夢中になり,大興奮で泥だらけになっても気にせずに生きもの調査を行っていました。
生きもの採取後,観察と同定を行いました。採取した生きものは次のとおりです。
種類 | 生きものの名前 |
---|---|
魚類 | ギンブナ、クチボソ、タモロコ、ドジョウ、シマドジョウ |
水生昆虫 | マツモムシ、アメンボ |
カエル | ニホンアマガエル、ニホンアカガエル |
その他 | アメリカザリガニ、ヌマエビ |
今年は水路の水の流れが速く,生きものが集まりにくい中での調査でしたが,たくさんの種類の生きものが確認できました。ザリガニをたくさん集めてはしゃいでいる児童や,網から飛び出したカエルに驚いている児童も見られました。また,同定の際は特に卵を抱えたヌマエビを興味深く観察していました。終始元気に動き回りながら生きもの採捕していた様子から,非常に楽しんで生きもの調査を行っていたようです。
最後に調査した水路周辺で記念写真を撮影をしました。
児童からは「お米を作るのはとても大変だと分かった」「生きもの調査はとても楽しかった。またやりたい」「田んぼにこんなに多くの生きものがいるとは思わなかった」などの感想がありました。
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