ここから本文です。
平成25年8月28日,鹿又ふるさと保全会は鹿又小学校にて,5年生を対象に農業水利施設見学会を実施しました。
田んぼに必要な水はどこから来ているのか,どのようにして来ているのか,誰が水を管理しているのか等を出前講座,施設見学を通じて学習し,児童の皆さんに農業生産基盤を支える農業水利施設の重要性を認識し,地域農業の関心を深めてもらうことを目的として実施されたものです。
出前講座は鹿又ふるさと保全会と東部地方振興事務所農業農村整備部が行いました。
鹿又ふるさと保全会の斎藤副会長さんから,田んぼの「昔」と「今」についての講座がありました。
昔は牛や馬の力を借りて代かきを行ったり、手で苗を植えたりしていたが、今は田植え機やコンバインなどの機械を使って農作業を行っていることについてお話を頂きました。
また、機械を使うようになってから、機械の大きさに合わせて田んぼを大きく、整った形にして来たことについても触れていました。
田んぼの「昔」と「今」の次は、東部地方振興事務所農業農村整備部より、農業水利施設が持つ役割について授業を行いました。
田んぼと水との関係や、田んぼの水はどこから来るのか、どのように来るのか、農業水利施設とは何か、どのような人が施設の維持管理に携わっているのか等について説明しました。
児童のみなさんはメモをとるなど,真剣に授業を聴いてくれました。
出前講座の後は,講座で学習した,田んぼに水を運ぶのに必要な農業水利施設の見学を行いました。見学したのは,管内でも特徴のある前谷地揚水機場,鹿又地区の水田へと水を運んでいる中山揚水機場,水田からの排水を行っている曽波神(そばのかみ)排水機場の三箇所です。見学中は河南矢本土地改良区より説明を頂きました。
最初に,前谷地揚水機場の円筒分水工を見学しました。
前日の雨の影響もあり取水が行われていないため,機場内部には入らず,外から機場を見学しました。
その後,前谷地揚水機場に隣接している円筒分水工を見学しました。
円筒分水工では,前谷地揚水機場でくみ上げた水を3つの地区に分配しており,その理由として,過去に水争いが起こり,それを解決するために三方分水の仕組みを導入した歴史などを学びました。
次に,中山揚水機場の見学を行いました。
まず旧北上川からの取水口を見学し,もし運転していた場合,1秒間に9.2トンもの水をくみ上げることが出来るとの説明がありました。
その後,水利権や取水制限について簡単な説明があった後,機場内部に入り,揚水機を見学しました。
揚水機が羽根の回転によって水を動かしていることや,水を高い位置に運ぶために揚水機が縦に長いことなど,揚水機の説明があり,揚水機の運転にはとてもお金がかかるということや,水機そのものも非常に高価であること,維持管理にかかる費用は賦課金という形で農家の皆さんから集めていることの説明がありました。
最後に,曽波神排水機場の見学を行いました。
到着時は排水を行っていたのですが,児童たちが機場内に入る直前に排水を停止していました。
機場内にはポンプが2台設置されており,電力で動く排水機と,エンジンで動く排水機が1台ずつでした。これは,停電時でも排水が行えるようにとの説明がありました。
また,中山揚水機場のポンプとの違いに触れ,排水用のポンプであるため,横長の形をしているとの解説もありました。
見学を終えた後,機場の外で記念撮影を行いました。
土地改良施設見学の終了後,児童たちに感想発表をして頂きました。「普段見ることが出来ないものが見られてよかった」や「田んぼは水をたくさん使うこと、その水がどこから来るのかが分かって良かった」など,田んぼと水、農業水利施設について理解を深めることが出来たようです。
お問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください