資料4−2 法律や他の都道府県条例における合理的配慮の提供義務について 1 合理的な配慮の提供が求められる場合と提供に当たって留意すべき事項について (1)合理的な配慮の提供が求められる場合について 障害者差別解消法では,個々の障害者から現に社会的障壁の除去を必要とする旨の「意思の表明」があった場合と規定している。 また,配慮が求められる側の負担も考慮し,「その実施に伴う負担が加重でないとき」としている。 (2)合理的な配慮の提供に当たって留意すべき事項について    障害者差別解消法では,合理的な配慮の提供に当たっては,「当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて」必要かつ合理的な配慮をしなければならないと規定している。 ○ 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法) 第7条第2項 行政機関等は,その事務又は事業を行うに当たり,障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障害者の権利利益を侵害することとならないよう,当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。 第8条第2項 事業者は,その事業を行うに当たり,障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において,その実施に伴う負担が過重でないときは,障害者の権利利益を侵害することとならないよう,当該障害者の性別,年齢及び障害の状態に応じて,社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。 2 合理的な配慮の提供を義務づける範囲について (1)障害者差別解消法では,「行政機関等」には合理的配慮の提供義務を課す(しなければならない)一方で,「事業者」に関しては努力義務(努めなければならない)にとどめている。また,「国民」については,特に規定されていない。    この理由について,令和元年度版障害者白書では,「これは,障害者差別解消法の対象範囲が幅広く,障害者と事業者との関係は具体的な場面などによって様々であり,それによって求められる配慮の内容や程度も多種多様であることを踏まえたものである(同書P20)。」と解説している。 (2)他の都道府県条例の状況 宮城県(案) 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 北海道 行政 努力義務 事業者 努力義務 県民 努力義務 岩手県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 山形県 行政 規定なし 事業者 努力義務 県民 努力義務 福島県 行政 規定なし 事業者 義務 県民 努力義務 茨城県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 栃木県 行政 義務 事業者 規定なし 県民 努力義務 群馬県 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 埼玉県 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 千葉県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 東京都 行政 義務 事業者 義務 県民 規定なし 富山県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 福井県 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 山梨県 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 岐阜県 行政 規定なし 事業者 規定なし 県民 規定なし 静岡県 行政 規定なし 事業者 努力義務 県民 規定なし 愛知県 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 三重県 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 京都府 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 大阪府 行政 規定なし 事業者 規定なし 県民 規定なし 奈良県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 鳥取県 行政 規定なし 事業者 努力義務 県民 努力義務 徳島県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 香川県 行政 規定なし 事業者 規定なし 県民 規定なし 愛媛県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 福岡県 行政 努力義務 事業者 努力義務 県民 努力義務 佐賀県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 長崎県 行政 規定なし 事業者 義務 県民 規定なし 熊本県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 大分県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 宮崎県 行政 義務 事業者 努力義務 県民 規定なし 鹿児島県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 沖縄県 行政 義務 事業者 義務 県民 義務 合理的配慮の提供を行政に義務づけている 22都道府県 合理的配慮の提供を行政の努力義務としている 2都道府県 合理的配慮の提供について行政の規定はない 8都道府県 合理的配慮の提供を事業者に義務づけている 15都道府県 合理的配慮の提供を事業者の努力義務としている 13都道府県 合理的配慮の提供について事業者の規定はない 4都道府県 合理的配慮の提供を県民に義務づけている 12都道府県 合理的配慮の提供を県民の努力義務としている 6都道府県 合理的配慮の提供について県民の規定はない 14都道府県 (資料4−2終わり)